ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

御招霊 盂蘭盆会

2014-08-14 | 産前修行
お盆だ、
墓参りだ、
里帰りだ、

というわけで、

両親、兄夫婦と私たち家族揃って、

妊婦「お酒、飲むんでしょ?」

飲まずに「帰ります」とは言えないのが、
松郷家、

実父「じゃ、そろそろ行くか」

Let’s 鯛や

先祖供養を兼ねた大宴会。

もっぱら話題は生まれてもいない娘のことで、
前回ブログで紹介した兄の英才教育法がまた、
出た。
ので、
詳しく兄のその教育方針について調べてみた。

それは、

“Zero to Three”

というらしい。
え…と、
つまり、
どんな子でもIQが高くなるって?

そのために環境を整えてあげるが大事だッ!っていう、
ゼロ歳から三歳までの教育スーパー英才教育法のこと、
…らしい。

そんなウルトラな子を育てて、
親の私はウルトラの母…って、

集中力三分?

そんな事は書いてない。
え…と、
妊婦「この状態で大学の講義を受けるって?」
臨月で大学に行けってか?

それから…と、
腹に話し掛け、一日20冊読み聞かせ、
リアルな犬猫の擬声語音を聞かせて、
良い食品を食べてさせ、
フィンガーペイントに、
ティッシュを破らせて、
数を数えさる。
(詳細カット)

実母「あら、私やらせたわよ」

元・保育士(当時、保母)さん曰く、
幼稚園で園児たちにやらせていた、
らしい。
…で、
妊婦「私と兄ちゃん、なわけ?」
兄「…」

まぁ、IQにも両親遺伝の限界というものがあるだろう。
それに、個々の興味がどこに向けられるか、にもよる。
私の話で申し訳ないが、
私の幼少期は、もっぱら絵を描いていた。
おもちゃで、
何が欲しいの?好きなもの言いなさい、
と言われて、
小さい私は、
「これ…」
持ってきたのは、
100円の真っ新な落書き帳と、
色マジックと色鉛筆だった。

総合計500円にも達しない品々である。
その反面、兄は、
「これが欲しいぃーーッ!!」
おもちゃ屋さんの前で買ってもらえるまで
「買って、買ってぇーッ!!」
とタンタン踏んで大暴れ。

もう…根負けするしかない両親。

しぶしぶ高価な、
乱暴に振り回せば、
すぐぶっ壊れそうな、

しかも、

すぐ飽きて、次の興味に走りそうなおもちゃを買い与え…、

妹の私は、というと、
「ほんとに、これでいいの?」

これでいい、ではなく、
これがいいのであって、

落書き帳を使い果たらしたら、
チラシ裏の真っ白なものを掻き集め、
落書きお絵かきを一人楽しんでいた。

一人遊びが好きな私を悲観した母は、
「ぬいぐるみとか、お人形さんとか、遠慮なく言っていいのよ…」

せめて、意のままに動くお友達を作って欲しかったらしい。
「おまま事セットとか…」
しかし、小さい私はそれらにまったく興味がなかった…。

興味があったのは、

「まぁま、書いてぇ」

母の絵だった。

しかし、母は元来のめんどくさがりで、

若かりし母は、
「じゃ…」
私の差し出した白いキャンパスに、
「クレヨンでめちゃめちゃに、描かれ」
結局、母が手を出すことはなく、
私がぐちゃぐちゃに色を塗った。
赤、青、黄色、緑、紫、
兎に角、
ぐちゃぐちゃ。
白いキャンパスを様々な色で覆い付くし、
覆い尽くされたぐちゃぐちゃを今度は…、

「はい」

黒のクレヨンで塗り潰す。
下の色が見えないくらい。
ぐちゃぐちゃは、
美しくほど黒い。

幼い私には、母が何をしているのか、
まったく分からなかった。
だって、
折角のカラフルなぐちゃぐちゃが、
…真っ黒だもん。

ふいに、

母が黒色のクレヨンから、
ボールペンに持ち替えた。
そして、
まるで、
ボールペンを魔法のスティックの様に動かして、
ペン先で「ぴ、ぴ、ぴ…」と黒い部分を削って、
無数の線を描き始めた。

浮かび上がったモノに、
幼い心は躍り上がった。

「わぁあ、すごい!」

漆黒の闇から生まれた、
色とりどり、鮮やかな、

「花火…」

だった。

後々、その技法がエッチングだと知った。

母は母なりの独自英才教育を私たち兄妹に施していたのだ。

教育って、
それで良い…と、
私なりの結論である。

そんなこんなで、
食って、呑んで、

主人が私の実家に泊って、
墓参りして…、

お盆が始まった。

ご先祖様、
ようこそ。