ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~白鷹鸚鵡に、蘭丸~

2014-08-09 | 散華の如く~天下出世の蝶~
裏切りとは恐ろしいが、もっと恐ろしいのが、
義に生きること、忠義を尽くすことであった。
一つ、一本、一人に固執し、
尽くし過ぎると他に行けず。
私は蘭丸の行き過ぎた義と、
その行く末が心配であった。
人生50と言われる戦国時代、
殿、御年48、
私、来年47。
蘭丸が義を尽くすのは、織田信長という人物だけで、
決して、織田家、その嫡男信忠ではないということ。
どこかから嫁を…と思っても、あの殿が手放すまい。
帰蝶「奥州白鷹、青鸚鵡に蘭丸…」
塩川「なんです、それ?」
帰蝶「殿の、三大自慢…」
謙信公が下さった白鷹、
伴天連の献上品の鸚鵡、
それと、蘭丸…。
彼が私を疑っているのは、理由があった。
「最近何か思惑されているご様子で」
宴の席であの明智様が、
食事を口に運び損ねた。
箸から、
ぽろ…、
食べ物がころころと床に落ちた。
蘭がそれを見て、
「帰蝶様、何か、御存じなのでは?」
何も知らぬ存ぜぬ関知せず、気にも留めなかった。
しかし、
殿の与り知るところとなり、私の関与が疑われた。