ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

沈んだはずの、天叢雲剣

2012-01-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
能子「父上様の…」面を付けて、立っていた。
池田「御方様…こちらへ」、与一「能子さん…」を後ろに隠した。
義経「義隆…」を傍に寄せて、
松殿「どうだ?」すぅと清盛のお面を外し「似ているだろ?鎌倉の能面師に作らせたんだ」
義経「接待係を、どうした?」
松殿「池田、お前の睡眠薬(睡眠導入剤)は、よく効くな」
池田「彼らを…眠らせた?」
松殿「その父兄懇談に、じじ(祖父)も混ぜてはくれまいか?」
義経「懇談は、父兄までだ」
松殿「教育方針には口を挟まん。それに娘婿と酒を酌み交わせず、強制送還は心残り…」
サッと脇差を外して床に置き、孫の義隆を見た「父 義仲に、よく似ている」
義隆「父上…」ギュッと、強く抱き締めた。
松殿「義経。清盛の、平家に引っ張り込む作戦が失敗に終わり、
義経「何を言い出す?」
松殿「次に、奥州を巻き込んでの4代目相続。三代目も、その才を買って了承したが、」
義経「憶測でものを言うな」
松殿「憶測?では、奥州藤原 秀衡(ひでひら)の遺言状に何と書いてあった?」
義経「…知るかよ…松殿、これ以上…」
“源 義経を奥州藤原の平泉棟梁として鎌倉頼朝を迎え撃て”
松殿「私も、お前の才を買っている。鎌倉殿を“滅ぼし”、日ノ本を統一も夢じゃない」
義経「俺の夢は、そんなもんじゃない」チラッと、能子を見た。
能子「兄様…」私を見た?
“そういうもんなんだ。夢ってのは、”
己の処遇?
分からない…私に、何を、伝えているの?
松殿「清盛も秀衡も、お前と同じく坊主の道(入道)を逸れ、戦の道に進んだ。…しかし、」
義経「戦だけが道じゃない」能子から没収した“与一の懐剣”を握った。
能子「あ…」武家の嫁が差す懐剣は、婚儀で結ばれし両家を守護する。
壇ノ浦沖で、父上様の継妻 時子様と共に沈んだ、国家権力と治世の象徴…
“天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)!?”


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