ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

俺の、平家の妹

2011-10-26 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
どうして、突然、妹を?
帰れッ!突き放した。
だが、俺の後を付いて来る。
俺の真似して木刀振り回し、山道歩いて、木に登って、
…あッ!
崖から滑った。
小さい能子を抱き締め、ゴロゴロ…テッ、二人で転げ落ちた。
コイツだけは…、いつも、キレイな顔して、いいモン着せて貰って…だから、助けてくれ。
大丈夫か?
服は、汚れちまったな。どっか痛いか?
傷は…?
ない。…良かった。
雨上がりで足を取られて滑った。幸いにも地面は柔らかで、俺は打撲と擦り傷で済んだ。
ッツ…、元々汚いナリだ。傷だって、ツバ付けとけば、治…
妹は、俺を見て「兄様ぁ、死なないでぇ!」わんわん、泣き出した。
キレイな宮中じゃ、こんなナリ、見た事無いよな。
こんな事で死ぬかッ。
それでも、安心出来ないのか、泣き止まなくて、
大丈夫だ…ッテ、やせ我慢して、ほら乗れ、能子を負ぶって帰ったっけ。
それ以来、俺に懐いちまった。
「私の兄様(あにさま)はお強いの」
コイツが、俺の妹…能子(よりこ)。
そんなある日、
不意に突き付けられた系図に、
何だ、これ?俺、源…?
「お前の、源の系図だ」
アイツ…妹は、
清盛を見て、アンタの娘…、
なぜ、俺に、妹と会わせたッ!?
「そんな妹を“お前なら、どうする?”…かと思って、な」


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