ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

教養が要るんだよ

2012-07-02 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
茶碗に一の碗、二の碗、二の碗、一の碗と濃さが均等になるよう最後の一滴まで出し切り、
「どうぞ」
コト…
斎藤「…」湯呑が手前に置かれた。
それを手に取って、
「おっ」
と、手にした茶は程よく温かく、口に含めば円やか、後味は甘い。
あやめ「待ったかいがありました?」
斎藤「ふぅ…ん」彼女の顔を見たら、
あやめ「何か?」勝ち誇った顔してやがった。
斎藤「いや、何でもねぇよ」
あやめ「可笑しな方…」
面白い方から、可笑しな方…か。
より親密な言い方に変化して、
警戒心までも解いちゃった?
斎藤「なぁ、お茶のレクチャーしてくれよ」
あやめ「お茶に関心が御有りですか?」
斎藤「今日、ここで行われている茶会に、俺は蚊帳の外」
あやめ「子供たちの面倒を…という話ですわね」
斎藤「向こうの茶室の中で、御偉方と心理戦…」
“代わりに茶を点ててもらおうか?”
池田たち元々坊ちゃん階級は、幼少期から“そういう教育”を受けている。
生まれ育ちが悪く、膏売ってた破落戸(ごろつき)は、そういう“モン”がねぇ。
あやめ「心理戦…?お茶が?」首を傾げて、
頭にでっかい“?(クエスチョン)”マークを付けやがったから、
斎藤「…。普通に考えて、狭ぇ部屋で野郎が茶して楽しいかよ」
加齢臭プンプン胡散クセェ。出来れば、若くて可愛い子ちゃんとお茶してぇ。
あやめ「まぁ、そうだったのですね」
斎藤「いいか、女の井戸端と違って、男の茶会は、ただ食っちゃべってるだけじゃねぇんだ」
ちょっと抜けてるヤツだがのし上がる為に、この女の“教養”が要る、と思った。


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