ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

黄蝶、変化の兆し

2012-07-05 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
あやめ「尻に敷かれるタイプには見えません」
斎藤「なら、」
すっと手を出し…「御手」
あやめ「エスコートになっていません」
ペンッ、俺の掌を打って、二度目のボディタッチ。
軽く拒否して、私、そんな軽い女じゃないのよってか。
斎藤「犬が気に入らねぇなら、ネコか?にゃぁ、天下取ろうぜぇ」ごろごろぉ…と
あやめ「甘えないで下さい…」
斎藤「アンタが要るんだって」
あやめ「私、アンタ呼ばわりされるの、ヤです」
斎藤「なら、これから、名で呼ぶ」
“菖蒲団子不振症”
あやめ「…考えさせて下さい…」
ふ…と横を向いたら、
「あ…蝶々が、」
ひらりひらりと、人間の世界に入って来た。
「まぁ、紋黄蝶(モンキチョウ)だわ。おめでたい…」
斎藤「めでたい…?」
あやめ「し…(静かに)」人差し指を口に当てて、
その手を、すぅ…と伸ばして、袖を広げ、あやめは動かなくなった。
厨に迷い込んだ黄蝶は、あやめの着物に留まって、
羽をバタつかせたかと思ったら、
次第に羽をゆっくりゆっくり上下させて、
ぴた…、
あやめを花と間違えたか、蝶は蜜もねぇのに羽を休めた。
あやめ「蝶は地を這う蛹から天を舞う美しい姿に変化する事から出世の兆しと言われます」
蝶を驚かせないように、小声で俺に教えた。
斎藤「へぇ…」
紋黄蝶を見て、あやめを見た。
あやめ「…私、黄蝶になれますか?


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