ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

たかが菓子、されど御菓子

2012-06-30 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
あやめ「た、珠ちゃん?」
斎藤「お前、おやつ抜きッ」
義隆「え゛ぇ゛」
斎藤「謝ってねぇだろ」
バームクーヘンのツーピースを皿に盛って、義隆に、
「珠ちゃんに、頭下げろ」
あやめ「…」
義隆「…珠ちゃん、あの…ごめんね」
珠ちゃんの前にお菓子を持って行って、
「ほら、一緒に食べよ。美味しそうだよ」
珠「ダイ…キライ…」
義隆「え?」
珠「隆くん…私の団子は食べれなくて、あやめおばちゃんのは食べるんだ…」
義隆「…」
珠「ひとりで遊ぶから…、もう、イイもんッ」中庭に飛び出して行った。
あやめ「た、珠ちゃん…」を追いかけようとしたら「あっ」と、止められた。
斎藤「配役が違う。手拭い」をあやめから引っ手繰って、菓子を皿ごと包んで、
「男を上げて、戻って来い」
義隆「はい」厨房を出て、珠ちゃんを追って、たたたたー、走ってったから、
斎藤「おし。しばらくガキのお守りから解放だ。さて…」
あ~ん、と大口開けて、バームクーヘンを手で掴んで食おうとしたら、
あやめ「くす…」と笑って「お行儀が悪いですわ」ぴしゃり、菓子食うのを止められた。
棚から急須を取り出して「お茶を、お入れ致します」
斎藤「たかが菓子に、わざわざ茶を点てて、喰う奴の気がしれぇねぇ」
あやめ「会話に花を咲かし、添える御菓子だからこそ、わざわざ、お茶を点てるんですわ」
鉄瓶に水を入れて、火種に薪をくべた。
湯を沸かす間に、
「御抹茶きらしているようなので、お煎茶にお入れします」
茶筒の蓋を開けたら、初摘みの新茶の香りが漂った。
「きれいな茶葉を咲かせましょう」


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