平荘町・上荘町をゆく(31) 見土呂(5) 小作契約書
見土呂村(現:上荘町見土呂)の大西甚一平は、明治20年(1889)に7郡にまたがって耕地と宅地192町、山林52町あまりを所有していた、県内でも有数の大地主でした。
大西家に残る当時の地主と小作の関係を示す「小作証書」から、地主と小作の関係をみておきます。
文書の内容は次のようです。
小作証書(小作契約書)
① 小作契約は二年間であること。
② 米の作柄にかかわらず11月15日までに小作料を納めること。
③ 期限までに納められなかった場合は、請け人(保証人)が代わって小作料を納入すること。
④ 契約期間内であっても地主から要求があればいつでも小作地をかえす。
また、別の契約書には、納入する小作米は大粒の高品質のものに限ることや米俵の種類の指定まで定めていまあす。
当時の地主と小作の関係が分かります。
小作の恨みの声が聞こえてきそうです。
小作は何時までも黙っていません。やがて、小作の嘆きは、小作争議として爆発します。