慈眼寺の鐘(三木市)
元は佐伯寺の鐘
今日の話題は、加古川市から離れ、三木市久留美(くるみ)の慈眼寺の鐘の話です。
慈眼寺(じげんじ)には、秋の紅葉の時期によく出かけます。
道路からあまり離れていないのに、山寺の雰囲気いっぱいの曹洞宗の寺です。
秋には紅葉で埋まる寺として、近在に知られています。
山門を入ると左手に鐘楼(写真)があります。
この梵鐘には、「延慶(えんぎょう)二年(1309)、播州印南郡益田村佐伯寺鐘」の銘があります。
三木市で最も古い梵鐘で、県文化財です。
この梵鐘は、もと加古川市東神吉町升田にあったが、言い伝えによると、1578年、秀吉による「神吉城」攻撃の際この鐘を奪い、三木城攻撃の折、慈眼寺山門の木にかけ、合図用として用いられたといいます。
そして、合戦後に慈眼寺に寄付されたと言うのですが、定かな証拠はありません。
この鐘は数奇な運命をたどっているようです。
佐伯寺は、嘉吉の乱(1441)で赤松氏に味方したため焼き討ちにあい焼失しました。その後の鐘の運命は、はっきりしません。
ともかく、もと佐伯寺にあった梵鐘は、現在慈眼寺にあります。