志方町をゆく(164) 西牧・山中(22) 「皇紀二千六百年」は何を語る
湯ノ山街道西へ歩きます。志方町から姫路方面への入口です。
左手の山麓に「大歳神社」があます。
そこに、「皇紀二千六百年」の碑があります。
この碑は、他の多くの神社でもよく見かけることができます。
若い方にとっては、「何が2600かな?」と、意味もよく分からない方も多いと思いますので、ここでおせっかいですが、この碑を取り上げておきます。
2月11日は、「建国記念の日」
伝承では、この日、初代の天皇・神武天皇は奈良の橿原で天皇になる儀式をしたといいます。
昭和15年(1940)の2月111日は、その式典から数えて2600年目(皇紀2600年)にあたるというのです。
昭和15年は、日独伊三国同盟・大政翼賛会の結成等、日本は着実に戦争準備を整えていました。
「皇紀2600年」を祝う式典も戦争に備えて、国民の意識を高め、団結を強める意味がありました。
そして、昭和16年12月8日、日本は真珠湾を攻撃し、無謀な戦争へ突入しました。
以下は少し蛇足です。
皇紀2600年の式典のあった、昭和15年(1940)をさかのぼること2600年前は、縄文時代であり、「天皇」はもちろんまだ存在していません。
あくまでも神武天皇は、神話(伝説)上の人物で、実在した天皇ではありません。
*写真:大歳神社の「皇紀二千六百年」の碑