『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第6章  激突  1

2007-10-19 08:00:38 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 砂塵は舞い上がった。軍団を率いる、将の乗る戦車は、先頭を進む。双方の軍団は、押して押して、押し進む。戦野は轟いた。両軍あわせて13万余の兵が、干戈を交える戦場である。どよめきと殺気が重く漂う戦野であった。
 軍団、軍団、また軍団、槍の穂先は煌めく、楯は光を照り返す、軍装は鳴る、威嚇の声は飛び交う、叫び激しく、轟々の閧の声、軍団の間合いが狭まってくる。弓矢の射程距離までに狭まってきた。
 トロイ軍が弓矢の一斉放射を浴びせた。空を裂いて飛び来る矢。
 連合軍の兵たちは、30人位づつの塊を編成していった。

第5章  アガメムノンの夢  10

2007-10-18 08:04:10 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 トロイのヘクトルも、アエネアス、サルぺドン、近隣諸国、そして、遠国からの軍団の諸将に計り、軍団を整え、城壁を背にして勢ぞろいした。彼等の武具も陽に照り輝いた。将たちは、兵を励ます、兵たちは腕を撫して心を燃やした。士気が横溢した。
 軍団の将兵たちは、他の城市に比べて、どこよりも公正で平和であった、このトロイを護りたかった。滅びることなど思いもよらないことである。この突き詰められた市民としての責務が、そして、将兵一人ひとりの大切な家族のためにも護り抜く、その心情で将兵たちの身も心も、火と燃えた。
 何としても、果たし合う相手を倒す、個としての勝利がトロイの安泰を約束して、トロイを護る。戦争を買わされたトロイ市民として、その責務を果たすべく、祈りの気持ちで戦意を燃やした。
 軍団は、自国を護るための一歩を、力強く踏み出したのである。

第5章  アガメムノンの夢  9

2007-10-17 07:07:29 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 陣立てのどよめきは、しばらく続いた。各将は、自軍団を整え終えた。陣立ての中には、アキレスと彼の軍団の姿は無かった。
 将兵たちの戦意は、いやがうえにも昇まっている、興奮と緊張が心と身体を占めた。兵たちの心臓は、早鐘を打つ、歯は鳴る、顔は引き締まる、果し合いに勝つ、勝利することこそ身の誉れと心を奮わせた。
 将たちは、あらん限りの力を尽くして励ました。
 突如、冷気を裂いて、轟く閧の声があがった。
 『わおっ!わおっ!わおっ!』
 大軍団の発する閧の声は、戦野にこだました。
 軍団は、武具を煌めかせて、一歩を踏み出した。

第5章  アガメムノンの夢  8

2007-10-16 08:05:27 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 将兵たちの心が変わってきたようである。
 『俺たちの誇りを忘れるな!意気地の無いことは恥だ!戦利品も持たずに、おめおめと故国に帰れるはずがないではないか!』
 この意識が、心の底知れない底にあったのだ。
 アガメムノンの思っている方向に事態は好転した。将兵たちの士気はあがった。戦闘意欲は、この上なく高揚した。
 2月22日の朝まだき、サファイア色の空、群青の海、緑の丘陵、茶褐の大地、朝の光が戦野に溢れた。
 連合軍全軍に指令が飛び交い、陣立てにざわついた。

第5章  アガメムノンの夢  7

2007-10-15 08:36:55 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 アガメムノンは、出来るだけ多くの将兵を集めるように全軍団に指示を出して、将兵たちを招集した。彼は、全軍団の統領として、ふさわしからざる言葉で将兵たちに告げた。
 『諸君!日夜、君たちは、戦いに明け暮れている。非常に苦労をかけている。私は、全軍団の長として、この上なく感謝している。ありがとう。ここに感謝の言葉を送る。君たち、将兵は、9年にも及ぶ長い年月を異国の土地で戦って来た。本当に感謝に耐えない。決着は、まだついていないが、どうだろう、得るべきものも、まだ、得ていないが、戦争を打ち切って、帰国しようと思うが、、、、、、、、』
 と、言葉を口にしたとき、将兵全員がざわめいた。そのざわめきで、言動が途切れた。将兵たちの気持ちを突いたその言葉は、彼等の行動に火をつけた。帰心は、矢の如しそのものであった。大変な騒ぎとなった。
 オデッセウスは、誰よりも早く収拾に乗り出した。それにつれて、他の将たちも収拾に乗り出した。一部のどうしようもない者は、力で抑え込んだ。どうにか事態を収拾に向かわせた。
 統領アガメムノンが言った、勝利のとき、将兵たちに充分な報奨を以って報いる旨を、一軍の将として約することで兵たちの戦意を煽って収拾した。
 兵たちは、帰心どころではなく、それとは、反対に、戦闘意欲は大いに燃え上がった。

第5章  アガメムノンの夢  6

2007-10-13 08:19:37 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 二人は、主だった将を集めて、これからやることについて説明した。
 『そのようなわけだ。よろしく頼む。将兵たちの戦闘意欲を何としても知りたい。どのようになるか。それは、判らない。どのような混乱が起きても、いい方向に収拾してもらいたい。いいな。頼むぞ。尚、将兵たちには、勝利の暁には、必ず満足してくれるように、私は考えている。以上だ。』 と、打ち合わせを締めくくった。
 アキレスの戦闘参加の無いこのとき、自軍のあり方を思えばこその手段であった。
 トロイのヘクトルもアキレスの戦闘参加の無いことを察知していた。戦いは、鬼のいない、このときである。軍団の編成のため、派兵を諸国に懇願した。近隣諸国からの派兵は、到底、無理である。そのような事情もあって、遠国の友好諸国への派兵の懇願であった。ヘクトルは、トロイの生き残り為に脳をしぼり、命を懸けた。

第5章  アガメムノンの夢  5

2007-10-12 09:05:28 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 将兵たちを集める前に、アガメムノンは、長老の将ネストルを呼んで、これから、やろうとしている事の考えについての理解を求めた。
 『ネストル。いま、話したことだが、将兵たちの戦闘意欲を確かめたい。どう思うか。』
 『この大軍団の統領の言うことではないが。戦闘意欲を確かめる。これはとても難しいことだ。予想される混乱と収拾の方策は出来ているのか。』
 『主だった将には、予想される混乱と収拾については打ち合わせておく。いいな。』
 『判った。ひとつ芝居をやるか。いいだろう。』
 ネストルは、一抹の不安を抱きながらも、アガメムノンに同調した。まさに、アガメムノン劇場である。
 アガメムノンは、あと半年くらいで、戦争の決着をつけたいと思案するのだが、可能か、不可能か。トロイの戦力の消耗と近隣諸国からの派兵の情況を知っていたのである。

第5章  アガメムノンの夢  4

2007-10-11 09:14:34 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『夢は、正夢だろうか。はたまた、逆夢ではなかろうか。』
 アガメムノンは、夢の真意をいぶかった。長期に及んでいる戦いに、自分自身が少々の疲れを覚えているのであろうか。夢がどこかに引っかかっているようである。夢の中でうつつに聞いた言葉は、軍を率いて起てと言う。彼は考えた。
 全軍の将兵にみなぎる戦闘意志があってこそ、総攻撃の成果が勝利となる。弱腰の戦いは、何としても避けなければならないのだ。
 アガメムノンは、自分自身を強く叱咤した。
 将兵たちの戦意を確かめるべく、人間心理の力学的操作を試してみることにしたのである。右に向かわせるために、左へ押す。そのリアクションで一気に行動に移る。軍団の統領として、危険の伴う策である。やるべきか。やらずとおくべきか。彼は、悩んだ末、将兵たちを集めて、大軍団を率いる統領としての資質を問われる言葉を吐いたのである。

第5章  アガメムノンの夢  3

2007-10-10 07:58:18 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 彼のたくましい、いちもつが荒々しく彼女の身を貫いた。腰使いも猛々しい。彼女は、彼の体重を全身で受けとめて、たくましい腕の中で喘いでいる。ピストン運動が、彼女の体内で激しく律動している。気分が昇ってくる。太い光の柱が、背筋を走り頭蓋を貫いた。力を振りしぼった声があたりの空気を震わせた。アガメムノンも昇ってきた。腰部に力をこめて、エクスタシーの突き撃を彼女の姫どころに全体重をかけて放射して、果し合いを終えた。吹き出た汗は融合していた。
 アガメムノンの脳は、冴えていた。身体も疲れを覚えていなかった。だが、朝まで目を閉じて、まどろみながら策を練ったのである。

第5章  アガメムノンの夢  2

2007-10-09 07:43:22 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 彼は、戦場の中にあって、力を誇っている自分に興奮していた。
 彼は、夢うつつのうちに股間に手を延ばしていた。彼のいちもつは、屹立していた。いつもと違う、太く、硬く、たくましかった。
 目が覚めた。隣に寝ている若い娘の寝息と肌の香油の香りが鼻をついた。彼は、やにわに掛け布団をはねあげ、娘の身に着けている肌着をひきむしった。娘は目覚めた。彼は、娘の唇をむさぼった。右手は、乳房を荒々しくもみしだく、人間の持つ獣の性をあらわにしていた。。娘は、荒々しいしぐさに喘いだ。いつもの彼の閨事とは違う。娘も燃えた。女の性をむき出し、挑み、応じていった。姫どころは、愛液でしとどに濡れていた。