『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第4章  怒るアキレス  19

2007-10-04 08:00:52 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 オデッセウス一行の舟は、目指す岸に着いた。アガメムノンの依頼を受けたオデッセウスは、神官の娘の手を引いて、父の神官に引き渡した。
 『おおっ。神官殿、我々連合軍の統領、アガメムノンより、貴方の愛娘を、今、お返しする。受け取られよ。』
 神官は、娘をしっかりと腕の中に抱いた。涙に潤んだ両目は、じぃっと、娘を見つめていた。
 神官は、願いが叶ったことを喜び、祭壇の前にひざまずいて、愛娘が還って来て、事件が落着したことを、神アポロに報告の上、感謝の礼を述べた。
 ちょうど、その頃、疫病の矢を放射していたスミンテウスは、軍団長サルぺドンに、情況と結果を報告をして、疫病の菌液が明日の放射でなくなることを告げた。サルぺドンは、報告を聞いて、一応の成果を認めた。