『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  206

2014-02-11 07:51:11 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『そこでだが、班編成の総人数は30名とする、班長は1名、係長役が3名だ。班長はマクロスに努めてもらおうと決めている。そこでだ、君たちに訊ねたい。俺は木工細工はダメだという者は手をあげてくれ』
 彼はマクロスと目を合わせた。
 『ほっほう、誰もいない、いいだろう。では、申し渡す。マクロス、君を班長に任命する、よろしく頼む。君ら一同はマクロス班長と話し合って、3人の係長役を決めてくれ。それができたらここにいる皆で話し合って係長を含めて30人の班を編成してくれ。メンバー表は木板に書きとめておいてくれ。あ~、それから申し伝えておく、このメンバーのほかに、用材に使用する木材の事があるので、一時的ではあるがソリタンが加わる宜しく頼む。夕めしが終わった後で全員で打ち合わせをやる、私の宿舎の前に集まってくれ。『風風感知器』製作の大要を話す。以上だ、いいな』
 オキテスは肩の荷をおろした。
 一方、パリヌルスも班編成に知恵をしぼった。彼は、班長1名と係長2名として、意中に決めていた者に任命することにした。彼が担当する『方角時板』の台数が12~13台と数が少ないのが理由であった。班員は10名として少数で製作に取り掛かることにしていた。彼は意中の3人を呼ぶことにした。
 班長候補のトピタス、係長役のサクテス、そして、細やかな細工物を上手に仕上げる腕の持ち主であるクリダスを選んでいた。彼は、トピタスにサクテスとクリダスを連れてくるように言いつけた。
 そろったところで彼は、三人と事の次第を話し合った。
 『君たちに話す用件はこういうことだ。トピタスとサクテスは知っているな。『方角時板』の事だ。それを春が来るまでに12台造る。その製作する班を編成して製作しようということだ。判るな。時間はたっぷりとあると言えるが、用材を準備して乾燥させねばならない、その時間を考えたうえでのことだ。これまでに造ったものを見て、考えて、改良点があれば、どのようにして改良するかも考えなければならない。判るかな』
 このように言ってパリヌルスは、三人の顔を見つめた。


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