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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation  『建国の地へ』 第2章  プトロトウムにて  39

2020-02-27 06:24:30 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアス暦8月10日、イピロス王暦8月7日の朝が明ける。
 浜に立つアエネアス、朝行事を終えたイリオネス、パリヌルスらがアエネアスを囲む、朝の挨拶を交わす。
 アエネアスが一同に声をかける。
 『おう、おはよう、いい朝だ。こうして浜で顔をそろえるのは久しぶりだな。チョット打ち合わせておきたい件がある』
 アエネアスが一同と目を合わせる。
 『君らが承知しているように13日から15日までの航海条件のよき日にこのプトロトウムから出航するわけだ。今日より3日をかけて出航準備を整える。パリヌルス、オキテス、アレテスは船の整備、オロンテスは食糧に関する諸準備、軍団長は財務の件、そして、俺に同道して航海に関する諸情報の収集と航海計画の策定をする。それらを終えて12日の午後には出航の詳細の打ち合わせを行う。以上だ!遺漏なきよう諸準備を整えてくれ。なお、朝食を終えたら一同を集めてくれ。出航の件を一同に伝える』
 『解りました』
 アエネアスの言葉が続く。
 『尚、今日、明日は軍団長とともに航海に関する情報収集をする。また、本日午後半ばから、ぺリオス領主の厚意による別れと壮行の宴に全員で参加する。以上だ』
 イリオネスが一同に声をかけて打ち合わせの場を解く。
 久しぶりに船団の一同が顔をそろえての朝食が終わる、朝食を終えた一同が集結する。
 統領からプトロトウムからの出航が伝えられる、一同からの歓声である、続いて、軍団長がぺリオス領主の厚意による別れと壮行の宴の件が伝えられる、一同が拍手と歓声でこれに答える、軍団長が出航に関する指示を伝える。
 『一同に指示する!出航に備えて、軍船の整備を入念にやること、クレタからこの地に到る海と比べて、海のスケールが格段に違う!そう言うことだ』
 イリオネスの前面にいる者が返事する。
 『はい!解りました。肝に命じてやります』
 統領からの出航指令、軍団長からの作業指示を終えて場が解かれる。
 アエネアスとイリオネスがぺリオスの館に向けて浜をあとにする、パリヌルスら三人は、軍船の整備要領を打ち合わせ、整備作業にとりかかる、オロンテスは、顔を見せた業者らと諸事を打ち合わせる。
 『オロンテス殿、注文の一切を承知しました。12日朝より船積みにかかります。決済の件についてはぺリオス領主殿より指示を受けています。要望がありましたら何なりと言ってください』
 『ほう、それはそれは、そのあたりのことはこちらでも、ぺリオス領主殿に確かめる。指示した物品の納入をよろしく頼む』
 『承知しました。任せておいてください』
 業者らが去っていく。
 時が過ぎていく、頃合いが午後半ばに到る。
 停留の浜から宴開催の浜が見える、二重の円を描いて焚火のシマが造られている、真ん中に余興の場が設けられているしつらえである、なにがしかの意図が感じられる。
 開催の頃合いが迫る、停留の浜に船団の者らを招待する使者が顔を見せる、一同が案内されて宴の場におもむく、定められた焚火のシマに案内され場に着いた。
 ぺリオス領主がアンドロマケを同伴して会場に姿を見せる、アエネアスにイリオネスが同道している。
 宴の場の一同が拍手で彼らを迎える、各シマの焚火が盛んに炎をあげた。