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『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1116

2017-09-11 07:12:23 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『イリオネス殿、紹介状のほうは昼過ぎまでにパン売り場のほうに届けます』
 『了解しました。お願いします』
 オロンテスが返事を返し、彼らの話し合い、打ち合わせを終える。一行は集散所の応接の部屋をあとにする。
 見送るハニタスとトミタス、集散所の事業、彼らの業務の営みにつむじ風が舞いあがろうとしている。
 彼らは、時代の進化を意識していない。時代は、彼らに知らせることなく着実に進化の歩を緩めることなく進めている。
 『おう、オキテス思いつくままに発止発止と話を進めた。意図する結果に落ち着いた。腹が減ったな。今なんどきだ?』
 『軍団長、昼にするには、ちと早すぎる頃合いだと思います』
 『かまわん!オロンテスからパンを受け取って、広場へ行く!』
 『そうしますか』
 『おうっ!』
 彼らは、頃合いに頓着せずに昼食のパンと葡萄酒を受け取って広場へと足を向けた。
 陽の光がまぶしい、身を灼いてくる、涼しいであろう木陰を選び腰を下ろす、微風が通り過ぎる、なんとなく落ち着いた。
 『おう、オキテス、俺らの暦で8月6日の昼頃にキドニアに着くようにしてマリアに向けて出港する。いいな。オキテス、その予定で段取りをしてくれ。デイスケジュール、マリア往きのスタッフメンバーについては、あとから打ち合わせる』
 『解りました』
 『おう、スダヌスがもう来るか見てきてくれ』
 オキテスがスダヌスの売り場へと足を運んでいく。
 『おう、浜頭!昼めしの頃合いだ。出れるか?』
 『いま、出ようとしているところだ。お前ら用事は終わったのか?』
 『おう、終わった。もう広場に来ている』
 『そうか、オキテス、行こう!』
 二人は、歩調を合わせてイリオネスの待つ広場へと向かう。
 スダヌスがイリオネスの用事を気にかけている。
 『軍団長の用事、なにかな、こみいった用事かな?』
 『そんなことはない!気にしているのか?』
 広場に着く二人、手招きするイリオネスの姿が目に飛び込んでくる。スダヌスが足を速める。
 『軍団長、待たせました。昼めしにするには、ちと早いのではーーー』
 『そうでもなかろう。浜頭、腰を下ろしてくれ』
 『おう、ぶどう酒とパンだ』
 イリオネスが酒杯を渡して、ぶどう酒を注ぐ。パンに噛みつくスダヌス。
 『おう、うまい!おうおうこれこれ!羊肉のジャーキーです』
 スダヌスが持参したジャーキーを二人に手渡す。
 『おう、口当たりのいい干し肉ではないか!うまい!』
 オキテスもジャーキーをほうばってうなづく。イリオネスが声をかける。
 『おう、スダヌス浜頭、旅に出よう!5~6日、身体をあけて、俺につき合え!行く先はマリアだ』