昼めしの時となる。
建造の場の者ら一同が、統領と軍団長、パリヌルス、オキテスを囲んでの昼めしの場である。
屈託のない彼らの話題は、昨夕の宴が話題である。
彼らの話を耳にして統領が話しかける。
『そうか、宴が楽しいか!しょっちゅう宴をやるというわけにはいかんな』
『宴は時たまやる、それだから楽しいのですな。待ちかねる、それも大事な楽しみの要素のひとつです。それ故に集う者らをがっかりさせられないのです。それが宴を催行する者の力量ということだ』
『イリオネス、お前、なかなか手厳しい。もっと軽いノリではいけないのか』
『それはいけません、統領。宴の価値を軽んじてはいけないと思います』
この一言ひと言を聞いて統領とパリヌルスらが『そうか』とうなずき、イリオネスの軍団長としての宴催行の心情を理解した。
オキテスがパリヌルスに話しかける。
『おう、パリヌルス、今の軍団長の話を聞いて、お前が言った『宴の催行はまつりごとの世界』であることを理解した。お前の言う通りだ』
『まあ~、言えばその通りなのだが、反面そのように重いものでもない。友の肩をたたいて『おい!一杯やろうぜ!』の世界でもある。互いの意思通じの根本的なものだな。何をおいても、楽しいことはいいことだ』
これを聞いた周りの者たちが声をあげて笑いをこぼす、一同が過ごす昼めしの場が和んだ。
昼が終わった。彼らが持ち場に戻っていく、パリヌルスも持ち場へと場を去っていく、アエネアスとイリオネスは、建造の場を巡回する。
夏の陽が燦燦と照りつける、二人の思念は、その暑さを退ける、建造の場を丹念に見廻った。
統領と軍団長、二人には誰にも明かさないネクストに関する課題がある。事業の遂行に関して、他の者にゆだねることのできない次元の領域が存在している。それが二人の肩にずっしりと乗っている。二人は、常にそれを認識して、役務と作業の遂行をパリヌルスらにさせているのである。二人は、それを念頭に持してネクストを考えている。
二人が念頭に持するもの、その思念は同じではない。その思念には微妙な差異がある、二人は、その根本にある原点を言葉では明かしてはいないが、会議の場で、話し合いの場で具体的な意見として言葉にしている。二人はその何故については語らない。また聞こうともしない。
アエネアスと彼ら一族の使命である建国を二人が設計し、俯瞰し、恐怖を滅却して、未来を掌中にしていかなければならないのである。
彼ら二人は、その剣の刃の上を歩いているのである。
建造の場の者ら一同が、統領と軍団長、パリヌルス、オキテスを囲んでの昼めしの場である。
屈託のない彼らの話題は、昨夕の宴が話題である。
彼らの話を耳にして統領が話しかける。
『そうか、宴が楽しいか!しょっちゅう宴をやるというわけにはいかんな』
『宴は時たまやる、それだから楽しいのですな。待ちかねる、それも大事な楽しみの要素のひとつです。それ故に集う者らをがっかりさせられないのです。それが宴を催行する者の力量ということだ』
『イリオネス、お前、なかなか手厳しい。もっと軽いノリではいけないのか』
『それはいけません、統領。宴の価値を軽んじてはいけないと思います』
この一言ひと言を聞いて統領とパリヌルスらが『そうか』とうなずき、イリオネスの軍団長としての宴催行の心情を理解した。
オキテスがパリヌルスに話しかける。
『おう、パリヌルス、今の軍団長の話を聞いて、お前が言った『宴の催行はまつりごとの世界』であることを理解した。お前の言う通りだ』
『まあ~、言えばその通りなのだが、反面そのように重いものでもない。友の肩をたたいて『おい!一杯やろうぜ!』の世界でもある。互いの意思通じの根本的なものだな。何をおいても、楽しいことはいいことだ』
これを聞いた周りの者たちが声をあげて笑いをこぼす、一同が過ごす昼めしの場が和んだ。
昼が終わった。彼らが持ち場に戻っていく、パリヌルスも持ち場へと場を去っていく、アエネアスとイリオネスは、建造の場を巡回する。
夏の陽が燦燦と照りつける、二人の思念は、その暑さを退ける、建造の場を丹念に見廻った。
統領と軍団長、二人には誰にも明かさないネクストに関する課題がある。事業の遂行に関して、他の者にゆだねることのできない次元の領域が存在している。それが二人の肩にずっしりと乗っている。二人は、常にそれを認識して、役務と作業の遂行をパリヌルスらにさせているのである。二人は、それを念頭に持してネクストを考えている。
二人が念頭に持するもの、その思念は同じではない。その思念には微妙な差異がある、二人は、その根本にある原点を言葉では明かしてはいないが、会議の場で、話し合いの場で具体的な意見として言葉にしている。二人はその何故については語らない。また聞こうともしない。
アエネアスと彼ら一族の使命である建国を二人が設計し、俯瞰し、恐怖を滅却して、未来を掌中にしていかなければならないのである。
彼ら二人は、その剣の刃の上を歩いているのである。
