『オロンテス、それはニケでは心もとなかろう。アレテスに言って舟艇を使えばいい。明後日の事だ、話をしておく』
『パリヌルス、そうしてくれるか、それはありがたい。頼む!第二便の出発時間までには帰す』
パリヌルスは請け合った。
『おう、オキテス、箱作りの件だが、世話をかけたな、ありがとう。マクロスチーフにありがとうを伝えておいてくれ』
『おう、満足のいく仕上りだったか?』
『おう、大満足だ!ところでオキテス、ハニタスから言ってきたのだが、新艇の価格決定会議の事前打ち合わせを明日の午後にやりたいと言ってきている。お前、どうする?』
『ほう、そうか。今、新艇建造が技術的にむつかしいところに差し掛かっている。オロンテス、その事前打ち合わせにお前だけ出席してくれ。詳細はお前から聞く』
『判った。そうする』
打ち合わせは終わった。三人は、『じゃあ~な』で別れた。
オロンテスは、久々に西の海に沈みゆく夕陽を見つめた。空と海を灼いて輝く茜が目にしみた。
朝が来る、今日一日の生がある。オロンテスはヘルメスの艇上で思案している。このところ穏やかな日が続いている。ヘルメスを係留する船だまりが見えてきた。
埠頭にテカリオンの姿を見とめた。二人の目が合う、互いに手を振る、テカリオンの意図を感じる、オロンテスは身構えた。
『お~、今日は、アサイチから堅パンの価格交渉か、よっしゃ!』
ヘルメスを船だまりの所定の位置につける。
テカリオンが走り寄ってくる、朝のあいさつを交わす、手を握る。オロンテスがスタッフたちと二言三言、言葉を交わす、スタッフたちが行動を起こした。
『オロンテス殿、昨日はありがとう。立ち話も落ち着かん、俺の船に行こう』テカリオンが誘ってくる。
『おう、そうしよう』
二人は、テカリオンの船に向かう、互いに大切な客であるとの認識である。互いに互いを打っての共鳴といった風情である。
『オロンテス殿、商いというものは微妙なものですな』
『と、言いますと??』
『いや、このたびの堅パンの事です。一言二言つぶやくと三言目には、それが出来あがる。オロンテス殿、貴方の機敏さに対しての驚きです。そのうえ、堅パンの一箱に詰められる数の事です。あれが40枚では少々少なすぎるのではないかと感じられるし、80枚、100枚では、多すぎるといった感じがします。60枚とは、本当に適当な数字です。全く恐れ入っています。オロンテス殿の配慮には、、、』
『いやいや、朝からほめられるとはーーー、テカリオンどの、ほめ殺しはいけませんな』
『パリヌルス、そうしてくれるか、それはありがたい。頼む!第二便の出発時間までには帰す』
パリヌルスは請け合った。
『おう、オキテス、箱作りの件だが、世話をかけたな、ありがとう。マクロスチーフにありがとうを伝えておいてくれ』
『おう、満足のいく仕上りだったか?』
『おう、大満足だ!ところでオキテス、ハニタスから言ってきたのだが、新艇の価格決定会議の事前打ち合わせを明日の午後にやりたいと言ってきている。お前、どうする?』
『ほう、そうか。今、新艇建造が技術的にむつかしいところに差し掛かっている。オロンテス、その事前打ち合わせにお前だけ出席してくれ。詳細はお前から聞く』
『判った。そうする』
打ち合わせは終わった。三人は、『じゃあ~な』で別れた。
オロンテスは、久々に西の海に沈みゆく夕陽を見つめた。空と海を灼いて輝く茜が目にしみた。
朝が来る、今日一日の生がある。オロンテスはヘルメスの艇上で思案している。このところ穏やかな日が続いている。ヘルメスを係留する船だまりが見えてきた。
埠頭にテカリオンの姿を見とめた。二人の目が合う、互いに手を振る、テカリオンの意図を感じる、オロンテスは身構えた。
『お~、今日は、アサイチから堅パンの価格交渉か、よっしゃ!』
ヘルメスを船だまりの所定の位置につける。
テカリオンが走り寄ってくる、朝のあいさつを交わす、手を握る。オロンテスがスタッフたちと二言三言、言葉を交わす、スタッフたちが行動を起こした。
『オロンテス殿、昨日はありがとう。立ち話も落ち着かん、俺の船に行こう』テカリオンが誘ってくる。
『おう、そうしよう』
二人は、テカリオンの船に向かう、互いに大切な客であるとの認識である。互いに互いを打っての共鳴といった風情である。
『オロンテス殿、商いというものは微妙なものですな』
『と、言いますと??』
『いや、このたびの堅パンの事です。一言二言つぶやくと三言目には、それが出来あがる。オロンテス殿、貴方の機敏さに対しての驚きです。そのうえ、堅パンの一箱に詰められる数の事です。あれが40枚では少々少なすぎるのではないかと感じられるし、80枚、100枚では、多すぎるといった感じがします。60枚とは、本当に適当な数字です。全く恐れ入っています。オロンテス殿の配慮には、、、』
『いやいや、朝からほめられるとはーーー、テカリオンどの、ほめ殺しはいけませんな』
