『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  149

2013-11-19 08:19:29 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『我々がこの事業をやり遂げる。自分たちの思いをカタチにする。それをやるには、強い意志力の集団であることが大切です。強い意志力を持った集団が事を進めていく、それでもってスタンスして、衆知を集め、事を進めて、カタチを作り上げていく』
 パリヌルスは、作業に立ち働くたちの姿を頭中に描いて言葉を連ねた。彼は話を継いでいった。
 『オキテスが言いました。彼は『人こそ砦』といったのです。このスタンス、この想いで、築砦を考えようと二人の意向を決めたのです。私たちはこのクレタに来たばかりです、上陸して日も浅く、我々がクレタについてよく知っているのかどうかということです。第一次の砦の構築は簡素に、日を追って、第二次、第三次と計画して、砦、城市を築いていく、そのように考えています。砦建設の資材が充分に調達できるか、それも課題です。建設にふさわしい資材が、建設に対する量が、調達できるかです。建設計画ができた、いや、資材の調達、それができないでは話にならない。ここはエノスと違います、築砦に使用する良材が豊富にあるか否か、また、それを簡単に調達できるか否かも、この築砦にかかわってきます。やると決めた以上、知力、体力、持てる力の全てを注ぎ込んで、このことを成し遂げねばならないのです。やる以上は短い時日でもいい必要としている条件の調査から手を付けていかなければならないと考えています』
 パリヌルスの長い話が終わった。しかし、まだ話は続くよといった、一区切りであった。
 『話をもうちょっと続けます。築砦は、まず、構想、計画、調査、計画の見直し、再度、計画の立案、調査、確認と段取りして、資材調達、建設に着手です。やりましょう!万全を期して、この築砦計画を成功させようではありませんか』
 力を込めて話を結んだ。一同が大いに賛意を示した。
 『パリッ!お前の言うとおりだ。クレタを知っているかと問われたら、返答に迷う。そのような自分を知らせれたな』
 アヱネアスは感慨を口にした。