goo blog サービス終了のお知らせ 

『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  294

2010-09-10 06:44:12 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 三日間の山行の旅から帰った一行8人は、みごとに陽に焼かれていた。彼らは夕餉の席についた。
 アエネアスは立ち上がり、でっかいみやげ話を語り始めた。聞く者たちは真剣な目を彼に向けた。
 『やあやあ、皆、そんなに緊張するな。話しにくくていかん。トリタス隊の発見によるものなのだ。それはそれは、君らが聞いて、腰を抜かすような、でっかい!アーモンドの樹の群生地なのだ。その広さといえば、東西に120歩、南北に80歩という、とてつもなく広い群生地だ。アーモンドの樹の本数は、300本を優にに超えて、この丘陵の樹林帯、一帯に生えている。話はこれでどうだ。俺も腹が減っている。あとは食べながら話す。いいな』
 夕餉の席についている者たちは、声ひとつ、しわぶきひとつもらさずアエネアスの話に聞き入っていた。
 焼けた魚をほおばろうとあけた口を、そのままにして、話に聞きほれていた。まさに、腰を抜かさんばかりであった。
 宴は、このでっかいアーモンドの群生話に花を咲かせて、実までつけて、酒を飲み、魚を口に運んだ。
 皆、力いっぱい興奮した。話はふくらむ、ますます膨らんで、でっかくなった。彼らの意識は、採らぬ狸の皮算用である。話はふくらんではじけ飛ぶ寸前であった。
 『しかし、こりゃ、ぶったまげたな、収穫隊を編成して群生地に向かわんといかんな』
 『収穫は、時間をかけずに、いっときにやらんといかんしな』