松明であった。火のついた松明は二人の姿を浮かび上がらせた。彼らは、松明を大きく左右に揺らし、大きく廻して丸を描いた。
これを目にしたタルトスは、二人の部下に合図を送りおどりかかった。二人は振り向く、そのときはもう遅かった。部下の手にしている槍が一人の腹を貫いていた。相手は膝を折って這いつくばった。そのまま、その奴の顔を砂地に押しつけて、声を上げさせることなく命脈を断った。もう一人はしぶとかった。腰の短剣を引き抜いてタルトスに挑んできた。タルトスは臆することなく、喉をめがけて剣を横に薙いだ。彼は、確実に相手の喉を斬り裂いて走り抜けた。一瞬にして始末を終えた。
彼は、部隊をその場から集落よりのくぼ地に誘導して身を潜ませた。
タルトスは、月下の海の闇をすかし見た。味方の3艘の小舟にはまだ動きがない。松明信号の先の海を見たが、海賊船らしき船影は見当たらない。船足の速いことを察して目を凝らして見続けた。
数分の後、月の光を照り返す櫂のしぶきが目に入った。海賊船は3隻である、見る見るうちに近づいてくる。船足の速い中型船であった。海賊の数は40~50人と見た。タルトスは兵たちに伝えた。彼らはくぼ地から出て槍を手にして身構えた。
これを目にしたタルトスは、二人の部下に合図を送りおどりかかった。二人は振り向く、そのときはもう遅かった。部下の手にしている槍が一人の腹を貫いていた。相手は膝を折って這いつくばった。そのまま、その奴の顔を砂地に押しつけて、声を上げさせることなく命脈を断った。もう一人はしぶとかった。腰の短剣を引き抜いてタルトスに挑んできた。タルトスは臆することなく、喉をめがけて剣を横に薙いだ。彼は、確実に相手の喉を斬り裂いて走り抜けた。一瞬にして始末を終えた。
彼は、部隊をその場から集落よりのくぼ地に誘導して身を潜ませた。
タルトスは、月下の海の闇をすかし見た。味方の3艘の小舟にはまだ動きがない。松明信号の先の海を見たが、海賊船らしき船影は見当たらない。船足の速いことを察して目を凝らして見続けた。
数分の後、月の光を照り返す櫂のしぶきが目に入った。海賊船は3隻である、見る見るうちに近づいてくる。船足の速い中型船であった。海賊の数は40~50人と見た。タルトスは兵たちに伝えた。彼らはくぼ地から出て槍を手にして身構えた。
