そうなんだ。

外国語で知ったこと。

ファスナー・チャック・ジッパー 日本語どれ?

2018-11-04 11:01:35 | クリーニング店
私が受付として働くクリーニング店での出来事です。

夕方、年配の男性がクリーニングの引き取りに来店しました。
クリーニングの受取書が彼のお財布に入っていて、そのお財布は着用中のかぶるタイプジャンバーのポケットに入っていて
そのポケットのファスナーが途中で噛んでいて、お財布が取り出せない状態でした。

始めはカウンター越しに、ファスナーを下ろそうと奮闘する様子を見ていたのですが
焦っても焦っても、一向に動かないようなので
私は気の毒に思い、カウンターを回ってその男性の横に立ち、お手伝いをしました。

ポケットの位置は下腹辺りなので、私は上半身をかがめて、顔を近づけて、手元に力を入れていました。
薄暗くなってきた通りから、照明のついた店内は丸見えだったでしょう。
年配男性とミドル女性のこの体勢は、角度によってかなり違和感のある光景だと推測できます。
そこへ、年配の女性客が新たに来店しました。
私はその不思議であろう体勢のまま

私 「いらっしゃいませ~」

女性はギョっとした表情から、不思議そうに

女客 「着たまま表示を確認しているの?」

なるほど。 そんな風にも見えましたか。

私 「いえ、ファスナーが噛んでしまって、お財布が出ないんです」

男性客に断って、先にこの女性の受付をしました。
すると、親切にも今度はこの女性が、上半身をかがめて、顔を近づけて、手元に力を入れてお手伝いを始めました。
やはり、どう見ても違和感のある光景です。

年の功だけあって、彼女はファスナーの噛みを解消するよりも、隙間から財布を取り出すことに専念しました。
結果、ファスナーは噛んだままですが、お財布は無事取り出せたのです。

良かった~。 とりあえず一件落着。 男性客もほっとした様子。

しかし、
直後に年配女性客が年配男性客に掛けた言葉に、“ひやっ” と、させられました。

女 「おじいちゃん、良かったわね」

お・おじいちゃん?

いいんですか? その呼び方?
おじいちゃんと呼ばれるには、まだ、という風に見えますけど。

しかし、「ありがとうございます」と恐縮していたので聞こえなかったのか、気にならないのかは定かではありませんが
気分を害した様子もないので、ホッとしました。
接客商売は気を使うんですよ。

ところで、ファスナーとチャックとジッパー。
ファスナーは元々が 「シートベルトを締めて下さい」 でおなじみの“閉める”という動詞からきた言葉です。

「fasten」(ファスン)・・・閉める・締める・(衣類のボタンを)留める

ここから
「fastener」(ファスナー)・・・留めるもの・締めるもの

となりました。

ジッパーとチャックは、このファスナーの商標です。
アメリカでは、ファスナーのことを商標名のジッパーと呼ぶ人がほとんどです。

チャックは、日本の商標名です。 カタカナですが外来語ではありません。 日本でしか使われない単語です。

なんと、
ヒモを引っ張ったり緩めたりすることで、閉じたり開いたりする
巾着(きんちゃく)をもじってつけた名前だそうです。
巾着(きん・ちゃく) → (ちゃく) → チャック

へ~。 



コメント (2)
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