6月24日深夜NTV系放映の「虹の架け橋」最終回1時間スペシャルで、韓国JYPエンターテインメントが開催してきた、日本人ガールズグループオーディション「Nizi Project」のファイナルステージの様子と最終デビューメンバーが発表された。
Part1の東京合宿編までは、正直あまり注目していなかった。
PRODUCE48のときのように、AKBメンバーと韓国練習生の実力差に唖然とした経験もあって、参加者のレベルに期待していなかったということもあるかもしれない。
しかし、主催者であるプロデューサー・パク・ジニョンは参加者に対して、優しく、それでも言うべき時は言うという、愛情のこもったコメントスタイルに引き込まれていく。
TWICEを生んだ「SIXTEEN」のときも厳しさと労りが感じられていたが、今回特に日本語でのコメント分量も多く、彼の真摯な人柄が感じられる。
Part2となる韓国合宿編から個人テスト、4チームバトル、3チームバトル、2チームファイナルステージと進む中で、練習生の素晴らしいステージがネットで話題になっていき、Nizi Projectの人気が加速していく。
個人テストでのステージでは、ミイヒ(鈴野未光)の「Nobody」、リク(大江梨久)の「Who's your mama?」が目を引いた。
ミイヒはとても15歳とは思えない、大人っぽい女性らしさを感じさせ、憑依型ともいうべき表現力を見せた。リクは東京編でみせた空手パフォーマンスとは対照的に、浮いた遊び人風な雰囲気を表現するというギャップが衝撃的だった。
4チームバトルでは、ニナ(ヒルマン・ニナ)、リリア(池松里梨愛 )、マユカ(小合麻由佳 )、アカリ(井上あかり)の「Dance the night away」。リリア・マユカ・アカリはダンススキルが上がり、ニナはややダンスに甘い部分はあるものの、大サビでのハイトーンスキャットで存在感を出し、チーム全体としては爽快で可愛らしいイメージを表現できていた。特にアカリはボーカル・ダンスとも安定しており、その表情はオリジナルのTWICEリーダー・ジヒョと重なった。
3チームバトルでは、リリア(池松里梨愛 ) 、リオ(花橋梨緒) 、リマ(横井里茉) 、ニナ(ヒルマンニナ)の「ICY」のステージが響いた。
リリア・リオ・リマの3人はダンスがパワフルでオリジナルのITZYのメンバーにも負けない迫力で、ダンスの実力に劣るニナもこの3人に食らいついて、しっかりチームとしての出来上がりに貢献していた。リオは得意のダンスに加えて、ぱく・ジニョンに指摘されたボーカルも安定した実力を発揮、そのビジュアルも素晴らしかった。
3チームバトル終了時点で2回目の最下位13位となったモモカが脱落し、 12人がファイナルステージに臨む。この時点で12名すべての練習生を応援する箱推し的は人気が広がり、全員合格を願う声も増加する。
ファイナルステージでは、ダンス経験者の多いマコ(山口真子)チームとボーカルに自信のあるメンバーが多いマヤ(勝村摩耶)チームに分かれ、2回戦形式で1回戦はタイプの違ったオリジナル曲、2回戦めはプレデビュー曲「Make you happy」を両チームがパフォーマンスする内容となった。
1回戦目はそれぞれ、得意とする分野とはちがったタイプの曲が与えられて、苦戦。しっかり仕上げてはきたが、特別審査員として参加して2PMのウヨンからは、緊張だけが見えて、メンバーらしさ、ステージを楽しむ感じが見えないと酷評される。
2回線目では、同じ曲ながら、マコチームは高いダンススキルによるパワフルさ、マヤチームは安定したボーカルと女性らしい柔らいダンススタイルで拮抗し、僅差でマコチームが勝利となった。各々、1回戦目の緊張は消えて、審査員も驚くほどチームワークが見え、メンバー一人一人が楽しむリラックスしたパフォーマンスを見せる。
結果、1回戦目はマヤチーム、2回線目は僅差でマコチームが勝利。但しもはやチームの勝利というよりは、一つのガールズグループメンバーとしてのパフォーマンス力が図られて、最終も個人順位発表となる。
パク。ジニョンの口から最終デビューメンバー人数が9人と発表された段階で、視聴者の多くが非常に残念な気持ちに襲われたに違いない。3人が落ちる。その当落線上には最下位経験のあるアカリ、JYP練習生ながらなかなか実力を発揮できなかったユナ、ボーカルは絶賛されながらダンススキルに不安のあるニナ、ボーカル・ダンスとも安定していたが、目立った評価を得られなかったリリアの4人が浮かぶ。
1位・マコ、2位リク、3位リマ、4位リオ、5位マヤ、6位ミイヒ、7位マユカ、8位アヤカまで発表され、最後の9人目は高温パートで絶対的に安定したボーカルスキルをもつニナが抜擢される。
アカリ・リリアについてはメンバーに選ばれてもおかしくない実力をつけてきていたと感じていたが、いわゆるダンス・ボーカル両方に安定した力を持つメンバーが上位に多かったことから、高温ボーカルの飛び道具をもつニナがグループの特徴づけとして優先されたのだろう。
グループ名はNIZIU(ニジュー)に決定し、メンバー同士が、そしてさあせてくれるファンが必要(Need you)であるという意味を含ませ、またある動画では反対から読んでういじん(初陣)の意味もある、との指摘もあったり、とユニークなグループ名となった。
Produce48のときは23歳のウンビから14歳のウォニョンまで年齢の幅に驚いたが、今回のNIZIUもミイヒ15歳からマコ19歳と若い。とくにマコはJYP練習生としてのキャリアと彼女本来の力なのか、メンバーをその魅力で引き込み、引っ張っていく柔らかいリーダーシップをもっていて、毎回のチームバトルでもそのチームワークの良さや練習生全体に与える影響について、パク・ジニョンも感謝したほどで、新グループでのリーダーとしての役割も十分果たしていくだろう。
「虹の架け橋」最終回の翌日のスッキリでは、メンバーとの直接インタビューがあり、既にデビュー用のビジュアルにチェンジした姿にはびっくりしたが、まだまだ初々しい中にも、MCがつとまりそうなメンバーも見えて、今後の本格デビューが期待される。
TWICEに憧れながら、初動CD販売でTWICEを凌駕したIZ*ONEのようなグループになるのか、徐々に下積みをつみながら育っていくグループになるのか、先はわからないが、是非活躍してほしい。