矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

増刷「絶対わかる抗菌薬はじめの一歩」が第7刷になります!

2013-02-08 08:26:14 | 著書紹介
皆様のご支援のおかげで、私の渾身の著書「絶対わかる抗菌薬はじめの一歩」が第7刷に増刷されます!

表現や言い回しで改善すべきところはあるのですが、短時間、短期間に現場の若手の先生にいかに有益な情報を還元し、目の前の患者さんの診療を少しでもよくできれば、との思いから書き上げました。

増刷のたびに、minor changesをしてきました。2010年3月に出版されてからも、悲願の保険適応改正がされた抗菌薬も多々あり、それらについて更新することを行ってきました。

今回も宿願のひとつであったampicillin/sulbactamの1日の最大用量変更、tigecyclineの承認など動きがありました。

最低限の”抗細菌薬”について少ない抗菌薬(27個ぐらい)を、医学部の臨床実習から初期研修医終了時までの4-5年間のキャリア形成のcriticalな時期にマスターできれば、その後、どんな診療科に進んでも”基本”ははずさない診療が可能になると確信しております。

私のキャリア上の今後の目標は、”気がついたら、competentな医師になっていた”というような研修プログラム、
いわば”ベルトコンベアー”(自動 or 自然に研修できるシステム)を現実化することです。

自身が、History and physicalもままならず、英語のハンデも超えて、米国の”ベルトコンベア”でcompetentな
医師にしていただいたので、それを祖国にもぜひ、還元したいと切に思っています。

余談ですが、
客観的なcompetency評価として、少なくとも米国専門医資格は取得、1回更新試験合格、2回目は2014年以降受験予定です。

わかりやすいのですが、30歳でInternal Medicine総合内科受験していたので、10年ごとに試験更新期限が来ます。感染症科は32歳で取得しましたので2年遅れで期限が来ますが、内科と同時受験を目標にしています。更新6年目から次の試験が受験できるので早めに受験しています。

米国の体系的な生涯教育システムのため、半ば強制的にではありますが自己の診療や知識を常に更新し振り返る機会があります。自身の診療をモニターする”生涯教育”サイクルを自分で意識できるシステムをありがたいと追っています。

講習会のみならず、専門医としてよりよい診療を常に実現できるようになるシステムが日本にも必要と思っており、将来の姿として構想できないかと思います。日本でも第3者機関により、2020年に専門医のあり方も変わると報道されていました。