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Opened Zipper

国際テロ / トム・クランシー

2005-08-26 22:03:29 | 読書

邦題:国際テロ
原題:The Teeth of the Tiger
著者:トム・クランシー
翻訳:田村源二
出版:2005年08月 新潮社(新潮社文庫)
ISBN:4102472339(上巻)/4102472347(下巻)
価格:821(上巻)/781(下巻) (税込)



大好きなトム・クランシーのジャック・ライアンシリーズ最新作です。
トム・クランシーは「レッド・オクトーバーを追え」でソッコー大ファンになり、以降読み続けています。
新作が出るたびに貪るように読んでいて、次作はいつ出るのかと待ち続けるサイクルが続いています。

どのシリーズも概ね大好きなんですが、ネットフォースだけは受け付けずに1作目だけでリタイヤしました。
あとアップリンク社(ソード)のシリーズも、読むのは読んでるんですが何だかイマイチな感じ。
共著になると、ちょっと好みでない雰囲気になってたりして残念です…オプ・センターシリーズなら大好きなんですけどね。

さてジャック・ライアンシリーズですが、今回ジャックは前大統領として影しか出てきません。
クラークもレインボー・シックスの運営でイギリスへ行ってしまってて出てこないし。
本作で活躍するのはジャックの甥である双子のカルーソー兄弟と、ジャックの息子ジャック・ジュニア。
完全に世代交代し、なおかつ現代の最大の脅威であるテロへの有効な対策のために創設された、秘密組織のお話になっています。

CIAとNSA(国家安全保障局)を結ぶ直線上のビルにある投資会社の実体は、前大統領ジャック・ライアンが画策して秘密裏に結成した超法規的な私設対テロ情報組織「ザ・キャンパス」だった。
CIAとNSA間での連携情報を暗号解読して盗聴し、公的機関であれば決して行えない強行手段によって国際テロへの断固たる対応、つまりテロ組織メンバーの暗殺を計画していた。
優秀な暗殺者の素質を見込まれてスカウトされたのはジャック・ライアンの甥、海兵隊員とFBI捜査官である双子のカルーソー兄弟。
またジャック・ライアンの息子のジャック・ジュニアも情報分析担当としてザ・キャンパスに迎えられていた。
その頃、アメリカ国内で一般市民に対する無差別殺戮をテロ組織が実行に移そうとしていた。

えー…面白いのは面白かったんですが、何だか軽くなったっつーか、薄っぺらくなったっつーか。
極端に言うと、水戸黄門みたいな話ですかねぇ?
大統領恩赦という印籠を切り札に、カルーソー兄弟を助さん格さんのように使って敵をやっつけさせるっつーあたりとか。
「超法規的」「秘密組織」「暗殺」「新兵器」…なんだろう? スーパーヒーローものですか?

「こんなことできたらいいな」という理想的なテロ対策を夢見て書いてみたんでしょうか。
現実世界があまりにも荒んでいるので、こういう夢を見ずにはいられなかったんじゃないかとも思えますが、重厚感が無いのが残念です。
どっちかっつーとレインボー・シックスの方が好きだなぁ。
続編に期待です。


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