このところ特別な暑さが続くが、そんな中で用事あっての浦和行きになった。
真夏の時節柄、夏バテ対策の栄養補充のため昼は鰻を食べる事にした。
浦和でうなぎを食べるとなれば、店はやっぱり「小島屋」ということになる。
江戸時代から200年続くという、ウナギを主にした川魚料理の老舗である。
その店は、浦和市街の東を流れる芝川とその低地に接した太田窪の地にある。
昔は湖沼地帯であったようで、うなぎが穫れるから商売が始まったのだろう。
そこはお店というよりも旧家という構えであり、店頭には表看板などもない。
昔からの重厚な家構えに、後から建て増した建物が幾つか続いている。
ほとんどが和室の座卓席になるが、商談や宴会用に個室や広間もある。
うなぎの蒲焼き料理が中心で、小の2500円から大の6600円まである。
うなぎ料理の他に、鯉の洗いや鯉こくなど 素朴な川魚料理も幾つかある。
最上級の宴会料理が9700円であり、昼食用のうな重は3000円である。
普通は、うなぎの蒲焼きにご飯や吸い物などを組み合わせて注文する。
真夏の平日は、それでも開店間もなく満席になり帰るころには待つ人もいた。
私達は母屋の和室に通されて、昼食用の「きも吸い付きうな重」を注文した。
備長炭で焼かれたうなぎに、ほど良い味のたれがついて臭いも香ばしいもの。
材料に大きなうなぎを使っているらしく、肉厚豊満で柔らかな蒲焼きである。
「稚魚のしらすが不足し、蒲焼きも値上がりしている」と、ひげ爺の独り言。
稚魚が少子化の昨今、川まで鰻がのぼらず 値段だけがうなぎのぼりの状態だ。