冬の陽光に輝く黄色い夏みかんの実は、冬の庭に彩りを与えてくれていた。
今は24節気で雨水の季節、雨や雪解けを表し農作業を始める時になった。
このところ雪降る日が多かったが、庭の梅やローバイ花を咲かせ満開状態。
そんな2月19日、穏やかな陽よりのもとで庭の「夏みかん」を収穫した。
昨年はたいそうな量の収穫だったが、今年は数が少なくて実の形も悪い。
昨年の春の終りに、寒さと強風で痛んだ枝を思い切って切りつめ整枝した。
柑橘類は枝切りを嫌う性質なのだが、そのため実の数が減ったようだ。
いつもの年は12月末頃に一部を収穫し、お正月に食べることが常だった。
そして、残りを2月収穫して親戚などに分け 一部でマーマレードを作った。
今年は実数が少なかったので、熟すのを待って この時期だけの収穫にした。
全部で20個あまりの収穫では、近所や親戚にお届けることは出来ない。
私はすっぱい物は好きではないから、夏みかんの美味さは良く判らない。
それでもちょっとだけ味見だけし、後の始末は妻に お任せすることになる。
リンゴと一緒に貯蔵すると 美味しくなると言うので、箱に入れて保管した。
それを3月中旬になったら食べる事にして、今日の肉体労働が終わった。
親戚は女系家族のため、毎年の夏みかんも喜ばれるのだが 今年はお届かは
出来ないとお断りする役は、何故か生産者であり男である私になっている。
「今は春、夏ではないのに何故『夏みかん』なのだ」と、ひげ爺の独り言。
実成りも収穫も夏ではないのだが、普通のみかんと区別し易くて判り良い。
初午には、郷土料理の「すみつかれ」を作り自宅内のお稲荷さんに奉じた。
玄関前の梅がちょうど満開になり、こぶしや水木の蕾もふくらんでいる。
庭の木々は芽を出す準備をして膨らみはじめ、芝は緑を感じさせてきた。
その芝庭は、モグラの仕業による土盛りの溶岩ドームが幾つも出来ている。
鳥の餌場に付けたリンゴは直ぐになくなり、畑の青菜類も食べられている。
家庭菜園での野菜づくりも、いよいよ本格的な時期を迎えようとしている。
ビニールハウスの中では、レタスなどの春野菜の種まき時期になってきた。
畑でタマネギやちんげん菜が葉を伸ばし、長ネギの苗も順調に育っている。
冬野菜の終わった畑の空き地は、堆肥を入れ灰汁を入れ耕して準備した。
陽射しも明るさを増したかと思いきや、その後に雪の降る日が続いている。
この時期特有の沿岸低気圧による変則気象だが、今年は雪日が多すぎる。
畑にはちょうど良い「お湿り」になるのだが、春から冬に逆戻りした寒さだ。
まだ雨や雪が降りそうだから、もうしばらく畑仕事は自重することになる。
寒さと暖かさとが交互しながら、だんだん春の気配を増してくるのだろう。
そして、うぐいすの初啼きを聞く下旬には本格的な春を迎えることになる。
「今年のバレンタインデーは雪降る寒い一日になった」と、ひげ爺の独り言。
春とは言えまだ寒い日が続くが、ひげ爺のハートもなかなか熱くならない。
立春を迎えて梅の花が咲くころとなって、2月としては暖かい日が続いている。
凍結しているであろう「袋田の滝」を見に、茨城の奥久慈まで出向いていった。
東北高速道を矢板インターまで進んで、喜連川を経由して大子町に道をとった。
自宅から約2時間少々で袋田の駐車場に到着、少し歩いて行くと滝である。
日本三大瀑布の一つと言われ、30年前の紅葉期に訪れて以来の再訪問である。
そこには有料の歩行者トンネル、観瀑台とエレベーターが設置してあった。
事祖は暖かい気温の影響か、上半分は凍っているが下半分は解けはじめていた。
全氷結の滝も見たかったが、流れのある生きた滝姿もそれなりに良かった。
私と同年代らしき、ハイキングや絵やカメラが趣味と思える人が多数来ていた。
それにしても、駐車料が1台500円で、歩行者トンネルが一人300円とは、
施設側は安いと思っているのだろうが、観光客側からはちょっと高いと感じる。
滝への道筋にはお土産店が列んでいるのだが、立ち寄る人も少ないようだ。
常陸太田と言えばお蕎麦の本場である、目的のお昼は当然に蕎麦と決めていた。
袋田から30分ほど下がった所、大吊り橋近くの「慈久庵」と言う店に入った。
山の中腹にあって、古くないかやぶき屋根で良質な建材を使った立派な構えだ。
資産家が道楽や趣味でやっているようで、古道具や機械等も展示してある。
商売上手とは言えない無愛想な対応で、注文することを戸惑うほどだった。
しかし出てきたお蕎麦は、本場の地粉を使った私好みの美味しい物だった。
主人お薦めの「地ネギの天ぷら」も、体裁も味もなかなか乙なものだった。
「店構えも味も良いが、口コミ評価は得られないだろう」と、ひげ爺の独り言。
午後は水戸黄門ゆかりの「西山荘」を訪ね、咲き始めた梅花を鑑賞して帰った。
関東地方のほぼ中央部に、洪水対策のために作られた渡良瀬遊水地がある。
高低差のあまりない広大な平地で湿地、河川や沼や湿地葦原になっている。
その南側の一部地が、ひげ爺の住んでいる加須市北川辺地域に接している。
本州最大の広さを持つ湿地は、貴重な動物植物の生息地になっている。
冬には渡り鳥が多く飛来し、野鳥の観察や写真撮影などに訪れる人も多い。
周辺の自治体は協力して、国際ラムサール条約の登録が検討されてもいる。
1月29日に、北川辺観光協会による渡良瀬遊水地探鳥会が開催された。
その遊水地に感心や関わりを持っている私も、役員として手伝いに行った。
この日は寒いながらも無風の好天に恵まれ、絶好の観察日よりだった。
先導する先生は、古河市在住で渡良瀬の鳥に詳しい一色安義氏に依頼した。
協会資料のほか、「渡良瀬遊水地アクリメーション財団」や 公共施設「遊
学館」の協力も得て、双眼鏡や野鳥図鑑や案内図などが提供された。
下宮橋の駐車場に9時集合、中の島から野鳥観察台 東橋 東谷中橋 旧谷中
史跡ゾーンと廻って、広場ゾーンで弁当と雑炊鍋の昼食を摂って解散した。
観察できた鳥は、マガモ・カラス・カワウなどのほかにトビ・ハヤブサ・
チュウヒなどの猛禽類も見られ、その数は大小25の多種にわたった。
そこは 弱肉強食の法則のなかにあっても、野鳥たちの賑わいの場だった。
鳥インフルの感染によりあちこちのニワトリが大量殺傷処分されている。
「H2ロケットで飛んだ『こうのとり』の感染被害は」と、爺の独り言。
ここは国有地で人や車を規制しているから、野鳥たちには自由の楽園だ。