高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

原発輸出の是非

2013-05-13 16:00:55 | 主義・主張

 今日の道新。原発推進と反対の両論。 両者はまったく正反対の意見ですから、まったく溝は埋まらないと思う。

 そして、原発推進と日本経済の成長をリンクさせてしまおうという巨大な利権構造の再構築が、メディアを巻き込んで始まっている。まだ、壊れたままの福島第一原発の報道はほとんど目にすることはない。今日何がが作業されているのか、放出されている放射能がどのくらいなのかは、調べに調べてゆかない限り、誰も発信していない・・、発信できない。

年末から始まると言われていた使用済み燃料棒の取り出し作業すら、年末から取り出すための作業を開始するのであって、本当に取り出し始めるのは早くても4年後だという・・・ことがつい先日発表された。 すでにその間に起こり得る大きな地震は想定外になっている。

日本国民が原発の危険性を麻痺させらせられてしまう・・心理作戦が再び始まっている。
他国に原発輸出が万が一されたとしても、お金は日本政府系金融が融資する・・そんなお金があるのなら、今目の前の事故対策が先ではないか・・・。 こんな当たり前のことが置きざれにされている日本・・・。

倫理観もへったくれもなくなってしまった・・・・。 
巨大企業の経済活動のためだけの世界か・・・・ あ~~~あ。

経済成長は本当に必要なのか。

この論壇に登場している、日本エネグリー経済研究所の原子力グループマネージャーは曰く(写真右)
 ・東芝、日立、三菱重工、日本製鋼所など日本の技術力は世界的に高い評価がある。
 ・原発輸出は日本の経済を牽引する
 ・チェルノブイリ事故のロシア、スリーマイル島事故のアメリカだって、その技術は輸出された。
 ・日本だけが輸出を自粛する理由はない。
 ・放射能廃棄物の処分ができないというなら、世界中どこを探しても原発を輸出できる国等ない。
 ・でも需要はある。現実を見るべきだ。
 ・国内では原発の新規建設が困難になったが、海外には日本の技術を求める巨大市場がある。
 ・経営者が海外に目を向けるのは当然であり、政府はそれを後押しすべきだ・・・。

 経済至上主義の代表的な考え方、意見だろう。

反対は、
 ・事故の収束もまだなのに、日本が海外に原発を売りつけることは道義的に許されない。
 ・経済成長下にある国への原発輸出は、日本政府100%資本の国際協力銀行が融資することになる。
 ・これは、つまるところ国民が税金が使われている。 焦げ付き、あるいは事故が起こればどうなるのか。
 ・輸出先の政情、地勢的立地条件が十分に検討されていない。

根底にあるのは、「経済の成長」の是非であり、「企業活動の倫理観」の問題なのだが、それは議論にならない。 

日本が経済成長を目指すのでなく、経済が縮小してもお互いに分けあってゆく社会に転換を目指すことは議論できないばかりが、推進派からは、一蹴されてしまう。 そもそも議論にならない。

人類は常に、勢力拡大を目指す人々と地域を守り生活人々との戦いの歴史であったと思う。
経済・企業戦争がグローバリゼーションであるから、過去人類が経験してきた地域サイズの争いが、地球規模で始まったにすぎない。 原発推進の問題を俯瞰してみても同様なことが起こっているのだと思う。

アベノミクスとやらは、歯止めをかけることなく、ガンガンと行き着くところまで行ってしまうのかもしれない。グローバル経済化は、資本主義・自由貿易の終末的な動きだと私は思う。 政治家は自由貿易が完璧に展開される世界をどのように想像しているのだろう・・・・。  商売に長けたわずか数パーセントの大金持ちとその他大衆の世界なのだろうか。

原発反対運動は、原発のみならず、エネルギー消費全体を下げても、暮らすことができる人たちの単なる理想的社会を目指す運動になってしまう。 だから、運動だけでなく、なんらかの実践活動をともなう必要があると思う。

 私はそれでいいと思う。 多様な暮らし方の空間、コミュニティを維持、創出しておかないと、それこそ 「一大事」が再び勃発した時に対処できなくなるからだ。

 
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