◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

“何でも名詞化”「途切れなく」って?

2010-06-16 20:19:03 | 気になる言葉、具体例
                                とまれね、はいはい
 “何でも名詞化” 変な「~ずに」から派生したような、「~ていなく」も関係ありそうな、妙~な名詞化。本当に何だかよく分からない、みょ~~~な名詞化としか言いようのない例なのですが、「途切れなく続きます」という言い方について考えてみましょう。
 ~ずに、~ないで、~ず、~なくて、~なく、この区別をちゃんとできますか? 「めざましテレビ」と「とくダネ!」のスーパースプレッダーが毎日のように誤った言い方をしていますから、区別できる人はもうほとんどいないのではないかという気がしているのですが、NHKのナレーションで「歌は次々に途切れなく続きます」なんていうのを聞くと、“気がする”どころじゃないのではないかと思います。(-_-;)
 途切れる、増える、消える、冷める、見える、もめる、割れる、いる、着る、起きる、これ全部「~なく」と言ってみてください。・・・(~_~)・・・何か足りないような気がしませんか? 「やむをえなくやりました」「店が営業していなく」「友達は一人もいなく」「電気もついていなく」「日本ではまだ保険が適用されていなく」というあほな言い方をときどき聞きますが、「~なく」の後に「て」と続けなければいけないのですよ、「途切れなく」なんてありえません。
 また、「東京が選ばれずに本当に残念でした」と言う人は、「~ないで」と「~なくて」も区別できないようで、大抵「東京が選ばれないで本当に残念でした」と言います。正しくは、「東京が選ばれず、本当に残念でした」であり、「東京が選ばれなくて本当に残念でした」です。一つ誤ると関連して広がりますから、その結果が「歌は次々に途切れなく続きます」なのではないでしょうか。
 まず、「次々に」は不要なので省きます。そして、「続きます」と言葉を続けたいなら、「途切れずに」もしくは「途切れないで」、あるいは「途切れることなく」です。「途切れなくて」でも「途切れなく」でもありません。「なく」と言っていいのは「途切れること」と言ったときだけ。「途切れること」が「ない」、だから「なく」と言えるのです。ようやく話が“何でも名詞化”に近づいてきました。(^^;ゞ
 「途切れなく」は、「途切れ」が「なく」と言っているような感じもしますが、「途切れること」を「途切れ」とは言えませんね。なのに、「~なく」をよく耳にして慣れてしまい、「途切れ」を名詞のように扱った「途切れなく」という中途半端な言い方をついしてしまうのでしょう。先日、勤務する会社の社員さんが書いた文章の中に変な「~なく」があるのを見ましたから、すでにだいぶ広がっています。┐( ̄д ̄)г
 ※続き(訂正、再考)がありますので、次回(6月20日)の記事も必ず読んでください。
コメント
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