◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「耳ざわりの良い声で」について。

2017-02-05 10:41:41 | 言葉についてあれこれ
                                  耳の中が見えるぅ

 「フルタチさん」で日本語についてワーワー言っているのを見ました。冒頭で「常に正しい日本語で話すことを求められるのが『言葉の番人』アナウンサー」というナレーションが流れ、「常に正しい日本語を求められる『言葉の番人』」というテロップが出ましたが、吹き出してしまいました( ̄o ̄)プフ。
 昨今は、若くて見栄えするアナウンサー、特に「女子アナ」は「タレント」「アイドル」とほぼ同じ意味ですし、「アイドル」が局アナになる例もあるようで、とても言葉の番人だなんて言えない状況です。それに、若いアナウンサーだけではありませんよ、改めて感じましたが、ベテランでも「明るみになる」のどこがどう違うのか答えられなかったのですから、「番人」が聞いてあきれる( ̄д ̄)!
 さて、続けて「そこで、今夜のフルスペは、各世代を代表したアナウンサーが集結」というナレーション、「各世代を代表した女子アナが集結!」というテロップですよ。「代表した」って何ですかね、そこは「代表する」でしょ! 「寝ていた最中」は「スーパーJチャンネル」のテロップ、「けっこう目立った所にありますね」と言ったのは「情報7daysニュースキャスター」のディレクターですが、「寝ている最中」「目立つ所」でしょ! なぜ過去形?
 それから、「○ 申し訳ない」「× 申し訳ありません」というテロップ、「『申し訳ない』はいいんだけど『申し訳ありません』はないです」と言った金田一秀穂。今更テレビでそんなことを言ったらどうなると思うの? しかも、私が使っている辞書には、「申し訳無い」のところに「『申し訳ありません』『申し訳ございません』は丁寧な言い方」と書いてありますよ。編集に携わった人の氏名が表紙に書いてあるのですが、その中に「金田一京助」と「金田一春彦」もあるのですよ <( ̄・ ̄)>。
 日本語テストの場面では、アナウンサーがこんないいかげんなことでどうするのかとあきれました。ですが、世の中の、いわゆるアナウンサーのほとんどが同様ですからいちいち書きません。言葉の標準がどうとか話しているときに「やっぱりNHK」と言っていましたが、それも怪しいですよ。日本語について研究はしているのでしょうけれど、アナウンサーの質はどこも同じです。
 「『耳ざわりの良い』声で原稿を『音読していた』山﨑アナでしたが、『知ったかぶり』の発言は、まさに『見かけ倒し』でした」という文章で、四つの『・・・』のうち、どれが間違っているかという問題が出たのですが、みんな「耳ざわりの良い」が間違いだと思いますよね。私は、テストの答えとしてはそれだと思ったのですが、本当はそれも間違いではないのです。ですが、「耳ざわりの良い」ではなく、「耳に心地いい」にしたほうが安全・確実だなぁと思いました。
 「耳ざわり」という表記がいけません。辞書には「みみざわり・耳触り」が載っていて、意味は「聞いたときの感じ・印象」です。そして、例文は「耳触りのいいことを言う」ですから、ほら、議員選挙の立候補者が耳触りのいいことを言うでしょ、あれですよ。「手触り」「肌触り」と同じようなことですね。
 それと、私は、「みみざわり(_ ̄ ̄ ̄ ̄)がいい」だったら「耳触り」と聞こえます。「耳障り」と言っているとは思いません。また、はっきり「耳触り」と書いてあれば、それは「耳触り」なのでしょう、誤字とは限りませんから文脈で判断しましょう。でも、「耳ざわり」と書いてあったり、「みみざわり(_ ̄ ̄__)だ!」と聞こえたりすれば、多分、それは「耳障り」ということになるのでしょうね。
 このテストの答えは「耳ざわりの良い声で」が間違いということで、「耳ざわり 聞いて嫌な感じがすること 聞いて気にさわる 不快な場合に使う」というテロップが出ました。さらに「耳ざわりは良いことはありません」と金田一秀穂が言ったのですが、やはり金田一京助・金田一春彦とは意見が違う? 「耳触り」はもう消えた? それとも、説明する時間をもらえなかった? ちなみに、古舘さんは「『耳に心地よい』でしょうね、言うとしたら」と言いました。賛成です。
 さて、もう一つ、「会議が難航し、『煮詰まって』きたので気分転換に話題の映画について尋ねました。『さわり』のシーンが、とある名作のはじまりと『似通っている』ため、あきられて『失笑しました』」という文章で、正しいのは一つだけだというのですが、私が考える正解は、正しいのは「さわり」と「似通っている」の二つ・・・、「失笑しました」も許容範囲内かもしれませんが。
 「さわり」と「はじまり」を続けて書いて、「さわり」は「はじまり」ではなく、歌で言えばサビ、一番盛り上がる部分だ、だから「さわり」は間違いなのだと言いたかったのでしょうけれど、話題の映画の「さわり」が過去の名作の「はじまり」と似ているという話でしょう? 何も問題はありません。例えば、「相棒」の「さわり」が「刑事コロンボ」の「はじまり」と似ているとか、そういうことですよね。
 おまけに、「あきられて『失笑しました』」ですからね( ̄д ̄)! テストの答えは「失笑」ではなく「苦笑」だということで、まぁ、それはいいですが、「あきられて」ではなく「あきれて」でしょ! 金田一秀穂が「あきれて苦笑しました、とかですね」と言いましたが、フリップの「あきられて」には気づいていたのか、それとも、気づいていなかったのか、どっちだろ?

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