◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「お話してくれたのは」って?

2022-05-08 09:53:46 | めちゃくちゃな敬語
                                  眠いぐだぐだ?

 「お話してくれたのは…○○先生」(2020/6/30 12:05 いぬのきもちWEB)は、敬語の基本を知らないうえに、正しい表記もできていません。「お話しくださったのは」「話してくださったのは」「話をしてくださったのは」「話してくれたのは」「話をしてくれたのは」から好きなのを選んで(^-^)。“四大ぐだぐだ敬語”、今回は「話す」です。
 「避難所を訪問された際には、上皇ご夫妻は膝をついて被災者と目線を合わせてお話しされた」(2021/5/26 11:09 女性自身)、上皇上皇后両陛下について書くときですら「お話しになった」と書かないのか( ̄" ̄)。尊敬語「ご(お)~になる」「~なさる」を知らない? さらに、この場合は「会話」ですから「話をなさった」が自然です。
 「祖母と認知症のお話をしたら…」と言ったのはフリーアナウンサーの馬場ももこ( ̄д ̄)! 自分が祖母と認知症について話をした、それだけのことですから、「お話」なんてただの上品アピール。自分の「お仕事」や「おビール」「お洋服が好きでぇ」と同じレベルです。こういう上品アピールには、もぉ、うんざり( ̄_ ̄)。
 「メリハリをつけてやっていきましょう、というお話しをしました」(2021/9/28 12:16 プレジデントオンライン)は、「話」「お話」「お話しする」を区別できていない典型例、加えて上品アピール( ̄д ̄)! 相談に来た人にファイナンシャルプランナーが「メリハリをつけてやっていきましょう」と提案したのですよ。
 「~という話をしました」か、謙虚さが必要なら「~とお話ししました」でしょ。「はなしをしました」で変換したら「話をしました」、「はなしました」で変換したら「話しました」になるのですけれどね。大人どうしですから「お話」はありえませんが、「お話を」ですらないって、変換の結果をもうちょっと気にしようよ <( ̄д ̄)>。
 「科捜研の女 17」#1で「昨日はなしした江藤君だ」と言った日野和正(斉藤暁)。「昨日はなした江藤君だ」でしょ。台本に「昨日話した江藤君だ」と書いてあったのを斉藤暁が「はなしした」と読んだのか? 「話す(はなす)」という動詞をすっかり忘れて「はなしする」と言う日本人が増えている?
 「お話できることはないんです」(2021/9/15 5:01 週間女性PRIME)って( ̄" ̄)、まさしく「話す(はなす)」を忘れていますね、名詞の「話」と動詞の「話し」を区別できていません。謙譲語Ⅰ「ご(お)~する」、その可能表現が「お話しできることは」というわけで、「お話、できる」ではなく「お話しできる」なのですよ。
 「『従業員の解雇に関する詳細については、お話しておりません』と声明を出している」(2021/12/15 11:53 COURRiER Japon)も同様です。チップの配分でもめてウエートレスが解雇され、事情を説明すべき相手(高額なチップをそのウエートレスに渡した客)に対して「お話ししておりません」ということです。
 「『人とお話しした日はいつもこう』昼間の発言を思い出して寝る前に一人反省会しちゃう…」という見出し、「『人とお話した日はいつもこう』と投稿された一人反省会のイラストが(中略)人と話した日の夜、寝る前に自分の発言を振り返って」という記事(2021/9/25 21:43 YAHOO!ニュース ねとらぼ)、支離滅裂 <( ̄д ̄)>。
 「人とお話しした」は誰が書いた? 「人とお話した」はTwitterにイラストを投稿した人で、「人と話した」は「ねとらぼ」のスタッフかな? まず、「人と」ですから、一方的に「お話しした」は違います。「お話した」は幼稚! 「人と話した」は惜しいですね、会話ですから「人と話をした」が分かりやすいでしょ。
 「今回はそんな前田利家について歴女医、○○先生にお話ししていただきました」(2021/12/15 15:00 AskDoctors)は、読点の位置、変な造語、敬語、いろいろおかしいですね、もうめちゃくちゃ( ̄д ̄)! 「今回は、そんな前田利家について、歴女で医師の○○先生にお話しいただきました」でしょ!
 「おはなししてくださった~」と言った中川安奈アナ(NHK)。それも「お話、してくださった~」ですか? それとも「おはなしして、くださった~」ですか? 民放はもちろん、NHKにも、ちゃんと「お話しくださった」「話してくださった」「話をしてくださった」と言えるアナウンサーはほとんどいません。
 「ご案内する」「ご紹介する」は、「案内」「紹介」という行為の主体は自分(こちら側)です。一方、尊敬語の「~くださる」も、謙譲語の「~いただく」も、行為そのものの主体は他人(あちら側)であり、自分はその行為を受ける側です。普通に言えば「案内してくださる」「紹介してくださる」「案内していただく」「紹介していただく」ですね。
 でも、どうしても頭に「ご(お)」を付けたいのですよね( ̄" ̄)。それなら「ご(お)~くださる」「ご(お)~いただく」ですよ、「ご案内くださる」「ご紹介くださる」「ご案内いただく」「ご紹介いただく」です。自分の行為について言う「ご案内して」「ご紹介して」に「くださる」「いただく」と続けるのはおかしいでしょう!?
 「お話しする」も、自分が相手に話すのです。「~くださる」なら相手が話してくれる、「~いただく」なら相手に話してもらうわけです。「話してくださる」「話していただく」、そして「お話しくださる」「お話しいただく」です。自分の行為について言う「お話しして」に「くださる」「いただく」と続けるなんて矛盾するでしょ!?
 不勉強なアナウンサーたちが「ご(お)~していただく」という誤った形を広め、地方のアナウンサーも芸能人も敬語の基本を知らない、知らないのに勉強しないから影響されてしまう、さらに、「ご案内、していただく」「お話、していただく」という“何でも名詞化”が重なり、何も考えないで、す~んなり、ということでしょう( ̄_ ̄)。
 「お読みいただく」「お聞きいただく」「お越しいただく」「お入りいただく」に「して」が入るのはあまり聞きませんよね。NHKのアナウンサーたちの「ご案内していただく」や「ご紹介していただく」が早くから目立ったのは、「ご案内して」「ご紹介して」がどういう表現なのかを忘れ、「ご案内を」「ご紹介を」の「を」も言わなくなる、そういうふうに流れやすかったからだと思います。
 「お話しして」がどういう表現なのかを忘れ、「話を」は「お話」になり、「話して(はなして)~」の「話す」という動詞も忘れ、「お話」を「してくださる」「していただく」と言っているのですよね( ̄" ̄)。しかし、違うのですよ、「お話しくださる(おはなしくださる)」「お話しいただく(おはなしいただく)」なのですよ!
 「きょうの健康」(2022/4/5)の冒頭、「お話しいただくのは○○さん」と聞こえたのですが、珍しいですね d(⌒・⌒)good。おやおや? 「あしたが変わるトリセツショー」(2022/4/28)で「ご案内いただいた」というナレーションが聞こえましたよ、珍しい~~~d(⌒・⌒)good。

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