限定的に有名だ
前回、「池上彰のニュースそうだったのか!!」で聞いた「世界的に有名となったアップル社創業者」と、石川県の広報番組で聞いた「皆様の生活をよりよいものとできるよう努めてまいります」について書いたのですが、若い人は、「に」と「と」の違いを、文法はもちろん、感覚としても分かっていないのではないでしょうか。
「有名」は、「明らか」と同じで、言い切りの形が「だ」の形容動詞。連用形は「有名で、有名だっ、有名に」ですから「有名になる」です。だから「世界的に有名になったアップル社創業者」でないといけないわけで、「有名となった」などという言い方は日本語としてありえません。どうしても「~となった」と言いたいのなら、「世界的な有名人となったアップル社創業者」です。
「世界的な有名人となった」の「と」は結果や帰着を表す格助詞で、「有名人」という体言に付きます。例えば「偉大な王となる」「優秀な研究者となる」「預言者となる」「閉幕となる」「全会一致となる」「最終決定となる」といった表現にはなじみがあるのではないでしょうか。でも、「偉大となった」「優秀となった」なんて誰も言いませんよね、「明らかとなった」「有名となった」も誤りです。
「皆様の生活をよりよいものとできるよう努めてまいります」については、「よりよいものにできるよう」だったら聞き流したかもしれませんが、「よりよいものとできるよう」は不自然で、ガギッと引っ掛かりました。「よりよいものと」に「できるよう」と続けることに無理があるのです。「よりよいものと」と言うのなら、「皆様の生活をよりよいものとするべく尽力してまいります!」ぐらい言いなさいよo(`д´)o!
そもそも「明らかになる」なのに「明らかとなる」と言うのはなぜ? 「有名になる」なのに「有名となる」と言うのはなぜ? そのほうが大げさな感じがするからでしょう? 放送業界の人たちは、それだけは分かっているのですよ。日本語として正しいかどうかなんて全く気にせず、とにかく視聴者の気を引くために誇張して言いたい、そういう気持ちが「に」を「と」に変えさせているのではありませんか?
そして、その影響は広く及んでいて、若い人は、ドラマチックにという意図の有無にかかわらず「と」と言い、それが誤りだとは知りません。それでも、「皆様の生活がよりよいものとなりますよう努めてまいります」と言えるセンスがあればまだいいのですが、それもなし。さらに、「皆様の生活を」と言いましたから、「なる」ではなく「する」と言いたいのですね、“仕事してるぞ アピール”でしょうか、若い職員でしたけれど。
「と」は「に」より強くてかっちりした印象になりますから、「これにて完了とする」「これらを決定事項とする」のように強い調子で「する」と続けるのはいいのです。でも、「皆様の生活をよりよいものとするべく尽力してまいります!」と県民に誓うほどの気持ちなんかないでしょう? だから「できるよう」なんて続けてセリフの前半と後半がちぐはぐになっちゃった┐( ̄д ̄)г。「皆様の生活をよりよいものにすることができるよう努めてまいります」ぐらいにしとけばいいのに~<( ̄д ̄)>。
前回、「池上彰のニュースそうだったのか!!」で聞いた「世界的に有名となったアップル社創業者」と、石川県の広報番組で聞いた「皆様の生活をよりよいものとできるよう努めてまいります」について書いたのですが、若い人は、「に」と「と」の違いを、文法はもちろん、感覚としても分かっていないのではないでしょうか。
「有名」は、「明らか」と同じで、言い切りの形が「だ」の形容動詞。連用形は「有名で、有名だっ、有名に」ですから「有名になる」です。だから「世界的に有名になったアップル社創業者」でないといけないわけで、「有名となった」などという言い方は日本語としてありえません。どうしても「~となった」と言いたいのなら、「世界的な有名人となったアップル社創業者」です。
「世界的な有名人となった」の「と」は結果や帰着を表す格助詞で、「有名人」という体言に付きます。例えば「偉大な王となる」「優秀な研究者となる」「預言者となる」「閉幕となる」「全会一致となる」「最終決定となる」といった表現にはなじみがあるのではないでしょうか。でも、「偉大となった」「優秀となった」なんて誰も言いませんよね、「明らかとなった」「有名となった」も誤りです。
「皆様の生活をよりよいものとできるよう努めてまいります」については、「よりよいものにできるよう」だったら聞き流したかもしれませんが、「よりよいものとできるよう」は不自然で、ガギッと引っ掛かりました。「よりよいものと」に「できるよう」と続けることに無理があるのです。「よりよいものと」と言うのなら、「皆様の生活をよりよいものとするべく尽力してまいります!」ぐらい言いなさいよo(`д´)o!
そもそも「明らかになる」なのに「明らかとなる」と言うのはなぜ? 「有名になる」なのに「有名となる」と言うのはなぜ? そのほうが大げさな感じがするからでしょう? 放送業界の人たちは、それだけは分かっているのですよ。日本語として正しいかどうかなんて全く気にせず、とにかく視聴者の気を引くために誇張して言いたい、そういう気持ちが「に」を「と」に変えさせているのではありませんか?
そして、その影響は広く及んでいて、若い人は、ドラマチックにという意図の有無にかかわらず「と」と言い、それが誤りだとは知りません。それでも、「皆様の生活がよりよいものとなりますよう努めてまいります」と言えるセンスがあればまだいいのですが、それもなし。さらに、「皆様の生活を」と言いましたから、「なる」ではなく「する」と言いたいのですね、“仕事してるぞ アピール”でしょうか、若い職員でしたけれど。
「と」は「に」より強くてかっちりした印象になりますから、「これにて完了とする」「これらを決定事項とする」のように強い調子で「する」と続けるのはいいのです。でも、「皆様の生活をよりよいものとするべく尽力してまいります!」と県民に誓うほどの気持ちなんかないでしょう? だから「できるよう」なんて続けてセリフの前半と後半がちぐはぐになっちゃった┐( ̄д ̄)г。「皆様の生活をよりよいものにすることができるよう努めてまいります」ぐらいにしとけばいいのに~<( ̄д ̄)>。