名古屋でも「Go Toトラベル」の一時停止が、検討されるようになった。
確かに、12月に入ってからの感染者の急増と医療施設の崩壊状態では、キャンペーンの停止は当然だろう。
むしろ、遅いかもしれない。
ところで、政府が「Go Toトラベル」等のキャンペーンを停止しない理由が、「エビデンス(=科学的根拠)がない」ということだった。
どうやらその「エビデンス」が出たようだ。
Huffpost: 「旅行」が原因で感染拡大。イギリス科学者チームが発表
このエビデンスの基となったのは、近隣諸国の移動によって「新型コロナウイルス」の遺伝子型が、国内で以前発生していた「新型コロナウイルス」の型と違う、ということで判明したようだ。
日本の場合、おそらくこれほど明快な「旅行による感染拡大」というデータは、出てこないと思う。
何故なら、今日本で移動をしている人の多くは、日本国内に居住している人だからだ。
持っている遺伝子型が同じということになれば、「第2波・第3波」という区別をすること自体難しく、結論づけすることが困難だろう、ということは簡単に想像できる。
だが、イギリスでの調査データは「人の移動による、感染症拡大理由」としては、十分だと思う。
もしこれ以上のデータを必要とするのなら、「Go Toトラベル」開始前と開始後の感染者数比較と、移動状況を重ね合わせるしかないだろう。
これまで感染者の発症が少なかった地域が、いきなり増加しているということになれば、何らかのクラスターが発生している、と考えるべきだろうし、その原因を究明する必要があるはずだ。
原因を究明することで、感染拡大の理由と対策が立てられる、ということにもなる。
そのためには「Go Toキャンペーン」利用者に対する、追跡調査をする必要があると思う。
思うのだが、政府としてはそのような追跡調査を実施するとは思えない。
ただ「感染症の拡大は、人の移動によって引き起こされる」という検証は、過去の様々な感染症によって立証されている。
頑なに「エビデンスが無い」という理由で「Go TOキャンペーン」、特に「Go Toトラベル」を一部地域を除いて継続するのであれば、政治家としての判断能力が問われることになっても、仕方ないような気がする。
「経済を動かす」ことは、必要だ。
旅行業をはじめ飲食業、エンターティメント業など、これまで「生活の豊かさを実感させてくれる業種」が、打撃を受けているのだ。
「コロナ禍後」どれだけ回復できるのか?全く不透明な状態であれば、業界全体も不安だろうし何よりこれらの業種に携わっている人たちの生活不安が大きくなるばかりだ。
日本は第2次産業と呼ばれる「製造業」が、主要産業と思い込んできた部分があるが、実は第3次産業の中でも「サービス業」と呼ばれる産業が中心になっている、ということを今回の「コロナ禍」は示している。
とすれば「Go Toキャンペーン」ではない、根本的な支援策を考える必要がある、ということを「新型コロナ第3波」は教えているようにも思える。