日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ワクチン」以外の対策も、国として検討して欲しい

2020-12-24 18:41:40 | アラカルト

昨日の朝日新聞に、興味深い記事があった。
「新型コロナウイルスを99.99%不活性化」という記事だ。
朝日新聞:コロナを「99.99%」不活性化 殺菌用LEDを量産へ

この殺菌用LEDを開発したのは、LEDの量産化で一躍注目を浴びた日亜化学工業だ。
元々LEDの研究開発では、日本は技術が高い。
ご存じの方も多い、ノーベル物理学賞を受賞した名大の赤崎教授と天野教授が共同で「青色LED」の研究・開発を行い、量産化したのは当時日亜化学に勤務し、現カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授となっている中村修二教授によるものだ。
量産化という点では、日亜化学には一日の長がある、ということになる。

LEDではないが、特定の紫外線を照射することで新型コロナウイルスを「不活性化させる」という研究は、神戸大学とウシオ電機との共同研究・開発が進んでいる。
神戸大学:222nm紫外線の人体皮膚への安全性と殺菌効果を立証ーこれまでにない新たな感染症予防・治療開発へ

今世間の注目は「新型コロナワクチン」へと向かっていると思うのだが、日本の場合諸外国に比べ「ワクチンアレルギー」のようなものがある(ように感じている)。
それは日本人特有の「安全」に対する意識のハードルが高いからなのでは?と思っている。
「ワクチン接種」に関していうなら、「副反応」と呼ばれる接種後の倦怠感や微熱が起きただけでも、世間は騒然とする傾向がある。
今回の「新型コロナワクチン」にしても、ファイザーが開発したワクチンによりアレルギー反応を起こした人数に注目された報道があったようだが、「副反応」が起きた割合からすれば安全性が認められたワクチンとほぼ変わらない。
あくまでも、ワクチンの安全性は「0か否か」という物差しで見ている訳ではないのが医療者や製薬メーカーの考え方なのだが、日本では「(副反応などは)起きてはならない」と考えている人が多い、というのが現実だろう。

そのように考えると、日亜化学が量産化を目指しているようなLEDによる殺菌システムや神戸大学とウシオ電機が共同が研究開発を進めているような、汎用性が高く人畜無害であるということが立証されたシステムのほうが、受け入れられやすいのではないだろうか?
それだけではなく、クラスターが発生しやすい場所と言われている、トイレや浴室の脱衣場などには、このようなシステムは導入しやすく、大きな設備投資も必要ではない。

国としては「ワクチン」の確保は、第一命題となっているのは分かる。
ただ、日亜化学や神戸大学とウシオ電機が共同研究開発を進めているような事業に対しても「新型コロナ対策費」を充てて欲しいのだ。
少なくとも「Go Toキャンペーン」の費用を削ってでも、このような予防策に力を入れて欲しい。
特にオリンピック開催を目指すのであれば、選手たちが安心できる環境を提供するためにも、このような殺菌システムを積極的に活用することを検討する必要があるのではないだろうか?