先週末から日本全体を今シーズン初の大寒波が襲っている。
関越自動車道などでは、2千台以上のクルマが雪に埋もれ動くことができなくなった、というニュースもあった。
今は、解消されたようだが、ここ10年くらいの暖冬で対応が遅れたのかもしれない。
いずれにしても、自然の猛威は人智の及ぶところではない、ということを痛感させられた。
今日の朝日新聞を見ていたら「新型コロナウイルス」が変異し感染力が強くなり、再び猛威をふるっているという記事があった。
朝日新聞:感染力7割増し、欧州各国でもコロナ変異株 英国から
この記事だけを見ると、戦々恐々という気分になる方も多いのではないだろうか?
実は、既に日本でも「東京型」と呼ばれる「新型コロナ」の変異が認められた、という報道がある。
日刊ゲンダイ:コロナ第3波の元凶は「Go To」だった!国立感染症研究所のレポートでエビデンスが
日刊ゲンダイの記事の見出しが「Go To」になっているため、「東京型」云々というまでわかりにくいのだが、国立感染症研究所のレポートの中には、第2波の時点で既にRNAの変異による「東京型」と呼ばれるタイプの「新型コロナウイルス」が誕生しており、現在の第3波はその「東京型」によるものが、全国各地で見つかっている、という内容だ。
だからこそ「Go To」による感染拡大の確認=エビデンスが判明した、という内容だ。
これらの記事を読みながら、感じたことがある。
記事の中にはRNAや遺伝子情報など、日ごろ私たちが耳にしないような言葉が数多く出てくる。
日ごろ耳にしない言葉=知らない言葉に「感染力7割増し」等の言葉が付くと、不安ではなく恐怖心さえ抱く方も多くなるのでは?という気がしたのだ。
まして、「自分にとって有利だと思う情報を選びやすい」という傾向がある。
「有利な情報」の中には、今回のような「命に係わるのでは?」と思われる情報も、優先的に見出しだけでも受け取ろうとする。
むしろ、内容まで確認をしてその情報を理解しようとするのではなく、断片的な情報を繋ぎ合わせ、自分にとって有利な情報整理をしようとするのが、当たり前の行動だとも言われている。
だからこそ、高校生の頃くらいに「ゲノム知識」を教える必要があるのでは?と、思うのだ。
というのも、今回の「新型コロナウイルスの変異」の仕組みが分かれば、必要以上に不安に感じたりしないのでは?という、気がするからだ。
「新型コロナウイルス」に限らず、風邪のウイルスはRNAの変異だと言われている。
RNAはDNAと違い、二重らせん状態のものではない。
DNAが梯子に4種類の塩基が並んでいるのに対して、RNAは梯子の片方が無い、とても不安定な状態。
だからこそ、短期間で変異しやすくなるのだ。
(このような知識を得るようになったのは、私が乳がんになり、より良い治療を選択するために必要だと考えたことで様々な本を読んだ結果だ。私の場合ゲノム云々を必要とするほどの状況ではなかったのだが・・・)
私が高校生だったころは、ヒトゲノムそのものが全く分からない時代だった。
だからこそ「感染症」に対して、必要以上に不安感を持ち注意深くなった。
「ヒトゲノム」そのものが解読された今、DNA=遺伝子情報などについての知識を高校生位の頃からしっかり理解することで、必要以上に不安感を抱いたり恐怖心を持つことなく、リスクマネジメントとして注意深い行動ができるようになるのではないだろうか?