日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

アベノミクスで「さとり世代」も消費に目覚めた?!

2013-06-03 11:10:46 | ビジネス

2,3年ほど前からいわれる様になった「さとり世代」という言葉。
「ゆとり世代」達が、自分たちのことを指す言葉だと言われている。
その理由は「自分たちは、好きでゆとり世代になったわけでは無い。上から目線のような決めつけで言われるのは、嫌」というコトのようだ。
その真偽は分からないのだが、昨今この「さとり世代」という言葉を目にするコトが多くなってきた。

「さとり世代」で特徴的なコトは、「クルマや高級ブランド品などに興味がない。モノを買うコトに消極的」だと言われている。
確かに「ゆとり世代=さとり世代」だと考えると、彼らは生まれてからズ~と「不況・リストラ」という言葉の中で育ってきた。
経済的社会不安の中で育ってきた世代でもある。
将来的ビジョンなど描きたくても、親世代のリストラを見て沈滞→停滞している社会しか知らないのだから、仕方無いのかも知れない。
そんな彼らに、わずかながら変化が起きていると言う。

「アベノミクス」で、株価が上昇し始め円安傾向になってきている。
輸出産業を中心に、今年の夏のボーナスもややプラスに転じる、と期待もされている。
そんな社会の雰囲気もあってか?最近「高級腕時計」が富裕層を中心に売れ始めている。
実際、某新聞社のサイトのあるコンテンツを見ていると、何故か高級腕時計の見本市として知られる「バーゼル」で今年出展された時計が表示される。
同じコンテンツには「コーチ」などの広告表示もされる。
この広告を見るたびに「こういう時計を買いたい!と言う人がわずかながら出始めたのかな?」という、気がしていた。

そして、その様な傾向は「さとり世代」にも、ほんの僅かながら波及し始めていると言う。
もちろん彼らが購入するのは「バーゼル」などに出展されたような、最高級腕時計では無い。
20万~30万クラスの、高級腕時計だという。
彼らのこれまでの購買行動を考えれば、驚くような行動のような気がする。
その理由は、上述した通り「クルマにもファッションにも、さほど興味が無い」という世代だからだ。
「腕時計」と言うアイティムは、実用という部分だけでは無くオシャレという部分もある。
実用一点張りから、わずかながらオシャレなどにも興味を持つ余裕が生まれてきた、とも解釈できるからだ。

「アベノミクス」で、この様な購買行動が生まれ始めた、と言うのであれば効果があった、と言うコトだと思う。
もしかしたら「さとり世代」は、堅実でメリハリのある消費志向を元々持っていて、それが「アベノミクス」で、わずかだが見え始めたと言うことかも知れない。


成長戦略の原発は、理解を得られるのだろうか?

2013-06-02 08:06:03 | 徒然

先日、安倍内閣の「成長戦略」の一つとして「原発推進」というコトが、報道された。
このニュースに、驚かれた方も多かったのではないだろうか?
東日本大震災が起きる前ならまだしも、東京電力の福島第一原子力発電所の、事故は収束の目途がたたず、今でも「原発稼働反対」のデモが相当の頻度で行われている最中での、発表だったからだ。

そして今日、新聞各社が「原発廃炉費用負担を、電気料金に上乗せする」という報道をしている。
毎日新聞:廃炉経費 前倒し分も利用者負担に 経産省方針
現在ある原発の廃炉負担を利用者=生活者負担というのは、渋々納得するだろう。
しかし、推進策としての原発建設予定分を負担する、と言うのは国民から理解を得られるとは思えない。

「後出しジャンケン」よりはまだましだとは思うのだが、それにしても世論を無視したような成長戦略を堂々と発表できるのは、選挙で大勝し高い支持率がある、と言う自信があるからなのだろう。
安倍さんの最近の発言には、「・・・???」という気がするコトが多くなってきた。

今回の「原発推進」の背景には、経済界というか産業界からの期待に応えて、と言うコトのようなのだが、その経済界というか産業界の人達の多くは、高度成長期の発想を引きずっている方々がほとんどなのでは?と言う気がしている。
その方達は、20年後30年後も高度成長期のような成長ができる、と思っていらっしゃるのだろうか?
少なくとも「高度成長期」のような、経済成長は今現在でも望める要素はほとんど無い。
その現実を見れば、20年後、30年後はもっと厳しい状況になる可能性を考えるべきだと思うのだ。
何より、世界的な動きは「脱化石エネルギー」となっている。
言い換えれば、「化石エネルギー」に恵まれていない日本こそ、新しいエネルギー政策を打ち出しやすいはずなのだ。

経産省の「廃炉経費、利用者負担」のニュースがあった、今日日経新聞のWEBサイトでは「化石エネルギー」に頼らない、新しい発電所計画があると報道している。
日経新聞:世界発の水素発電所、千代田化工が実用化
他にも、日本独特のバイオマスエネルギーの研究などが産学協同で進められている、と言う報道を散見する。

「原発推進」よりも、この様な産業への投資のほうが成長戦略としては、適切だとう気がするだけでは無く、上述したように「原発推進」そのものに、国民の理解が得られるとは思えないのだが・・・。