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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

株主総会で企業が変わるのか?

2025-06-26 13:01:00 | ビジネス

今週に入り、大手企業の株主総会の報道が多くなり始めた。
と言っても、報道されるのは何かしら話題があった企業に限っての話で、株主総会が開かれた企業全てが報じられる訳ではない(。

今年注目されたのは、ご存じの通り日産とフジメディアHDの2社だろう。
どちらも長時間に渡った株主総会のようだったが、2社とも株主が納得できるような内容で終わらなかったようだ。

まず、日産についてだが、ホンダとの経営統合話を蹴り、独自の再建策を発表し、新たなスタートを切るという位置づけで臨んだはずの株主総会だったはずなのだが、ここで繰り広げられたのは、6億を超すと言われる高額な役員報酬の支払い決定と、国内外の工場閉鎖と工場閉鎖などに伴う大規模リストラ策についてだった。

多くの株主は、「経営の失敗なのだから、まず経営陣が6億を超すような役員報酬の支払いをやめるのが優先であり、工場閉鎖や従業員のリストラ策は、その後の経営再建策のはずである」という、真っ当質問が続出したようだ。
確かに、役員に対して高額な報酬を支払う一方で、工場閉鎖や工場閉鎖に伴う従業員のリストラ、というのは順番が違うと思う。
経営者として、失敗をしたのであれば、それなりの責任を負う必要がある。
その責任の負い方として、役員報酬などの返上は当然と言えば当然だ。

にもかかわらず、役員報酬はもらうが、工場閉鎖と従業員のリストラは敢行します、では社会的経済の影響が大きすぎる。
もちろん、経営再建策として稼働状況が良くない工場の閉鎖は当然だとは思うのだが、その為の手順というものがある。
傍で見ている限り、日産の役員たちはそのような手順を踏んでいるとは思えなかった。
そもそもホンダとの経営統合の話を蹴った時点で、従業員や地域経済に大きな影響を与えずに、どのような経営立て直しをするのか?という、検討が十分だったとは、感じられない場面ばかりだった。
役員のプライドばかりが目立ち、かつてはトヨタ自動車と双璧をなす自動車メーカーとして、日本経済を支えてきたという矜持が感じられなかった。
その為だろう、ネット上のコメントなどでは、「経営統合しなかったホンダは正解」という趣旨が散見された。
それほどまでに、日産という企業の経営陣は社会から見られていたのだ。
そのような経営陣が高額な役員報酬を受け取る、ということ自体、株主として我慢できなかった、というのは当然のことだろう。

昨日、フジメディアHDの株主総会でも、株主が「なぜ?」と疑問に感じる内容となったようだ。
一つは、この春社会的に騒がせ、問題となった「中居問題」に対することのようだが、それよりも大きな問題として取り上げられたのは、退任が決まっている日枝会長が、この問題が起きてから一度も公の場に出ることなく、報酬を受け取り退任する、という決議がされたという点だろう。

確かに、「中居問題」に関して日枝氏は関係ない。
ただ、「中居問題」に端を発するような、企業体質・企業文化をつくってきたのは日枝氏がフジテレビというテレビ局を牛耳る様になってから、という指摘に対してフジテレビ側は明快は回答をしていない。
株主総会は、この問題に対して回答をする場でもあり、当事者の出席は不可欠だったはずだ。
にもかかわらず、病状不明のまま?日枝氏は登場することなく報酬だけを受け取る、というのでは、株主だけではなく社会にも不信感だけを残す結果となってしまったような気がする。

今回株主総会が話題となった2社の対応等について考えた時、株主総会という場は「株主だけではなく、株主総会が報じられることで企業の将来像を発表する場でもある」ということが分かる。
その場を設けていながら、解決策となる回答を発表できなかった、ということは経営陣が変わっても企業体質は変わらない、ということを示した、ということになるのではないだろうか?



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