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世界最低レベルの日本人の大人たち

2024-02-27 20:52:18 | アラカルト

昨日、ネットでニューストピックスを見ていたら、なかなか衝撃的なタイトルの記事があった。
ビジネス+IT:日本人はなぜ勉強しなくなるのか?「世界最高の子供」が「最低レベルの大人」になるワケ 

タイトルを見るだけでも、辛辣な言葉が並んでいるが、このような内容の話は過去何度も新聞を含むメディアで、取り上げられてきたテーマでもある。
日本では、子供の学習テストの結果にはとても興味を持つ傾向がある。
例えば、「世界を対象とした学力テストの結果」については、様々なメディアがこぞって取り上げるのだが、「大人」に関してはそのような話題がない。
話題がないのは当然で、日本の組織づくりと諸外国の組織づくりとは随分違うからだ。

日本の企業の場合「ゼネラリスト」と呼ばれる「企業について幅広い知識を持つ人材」が、重宝がられる傾向がある。
その為には、大学院等で専門性の高い知識を得た人材よりも、企業の文化を理解し、企業に対して(言葉が悪いが)従順な人材を求める傾向があるからだろう。
一方、海外ではより高度な専門性を求める傾向が強い為、大学院等で学んだ人材の方が社会では有利となるし、専門性が高い人材だからこそ「流動性のある転職(=専門知識を持った転職)」が、可能となっている。
このような日本と諸外国との考えや文化の違いが、前提にあるということは理解しておく必要があるだろう。

この「職業として高い専門性が求められない」からこそ、社会人になってしまえば自分の仕事に関連する勉強そのものをする必要がないのだ。
勿論、企業側は従業員のスキルアップの為の「研修」を積極的に行い、その結果として「能力給加算」等を実施している企業もあるはずだが、この「研修」も企業が用意したモノであって、その多くは資格取得を目的としている。

もう一つ感じることは、「考えることが苦手」という大人が多いということだ。
「自ら問題を見つけ、解決策を探す」ということが、とても苦手な気がすることが多々ある。
最初から「正解」が用意されており、その「正解を目指す為のknow-howを求める」という傾向が強いように感じている。

この「自ら問題を見つけ、解決策を探す」という行為そのものは、とても高度で「人でなくてはできない領域」だと、考えている。
逆に用意された「正解」を求めるためのknow-howであれば、AIの方がよほど早くて正確なモノを導きだせるはずだ。
そのように考えると、これから先のAI時代に向かって、日本の大人たちはますます「最低レベル」を更新していくのでは?と、心配をしてしまうのだ。

そして思い出したことがある。
それは、「諸外国(特に米国)の派遣社員」と「日本の派遣社員」の大きな違いだ。
諸外国における派遣社員とは、高度な専門知識を有したその道のプロを限定的期間雇用する、という内容であることがほとんどだ。
それに対して、日本の派遣社員は「労働力の調整弁」のような役割を持っている。
役割が違うので、そこで求められる能力や技能もほぼ必要ない、ということになる。
その違いを十分理解せずに、導入してしまった結果「非正規雇用者」が極端に増え、日本経済の低迷に一役買ってしまったことに、繋がっているような気がしている。

このような社会・労働環境であれば、大人になってから自分のビジネススキルを上げることや、より高い専門性を学ぶ、という意識がなくなってしまうのも当然だろう。
これからの経済という視点で考えてみても、その損失は大きく、諸外国から置いてきぼりとなるのは当然なのかもしれない。



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