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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

長期継続政策が、惰性政策になっているのでは?

2025-05-16 21:11:48 | アラカルト

昨年夏からのコメ不足は、備蓄米放出をしてもお米の市場価格は下がらず、先日はJA全中会長である山野徹氏が「コメ価格は決して高くない」と、発言をし、波紋をよんだ。
時事通信:コメ価格「決して高くない」政府備蓄米の効果と評価ーJA全中会長 

確かにこれまで報じられてきた、コメ農家の収入などを考えると「コメ価格」が高かった、とは言えないと思う。
コメに限らず様々な作物をつくる農家や酪農家の収入という面で考えると、「割の合わない仕事」ということになるのでは?と、想像できる。

そこで考えなくてはならないのは、もしコメ農家の労力を時給換算してコメの流通価格を決めるとすれば、相当高額なモノになる可能性があると思われるが、その高額なお米を購入できるだけの収入が、購入者となる生活者側にあれば「コメ価格」に対する感覚は、随分違うのでは?ということだ。

ここ30年余り、日本のサラリーマンの実質賃金は下がる一方だった。
「アベノミクスってなんですか?全く恩恵を感じません」という、給与所得者も多かったはずだ。
お米の販売価格が多少上がっても、心配せずに購入できるだけの経済力さえ、現在のサラリーマンは持っていない、と考えてもよいのでは?と、考えてしまうのだ。

そしてその一方で、政府は長い間「減反政策」を行ってきた。
確かに、お米の消費量は年々下がってきていた。

農水省のサイトにある上表のグラフからわかることは、物凄い勢いで1人当たりのコメ消費量が減っている、という事実だ。
高齢化が進み、一人当たりの消費量が減るのは、仕方ないことだが、このグラフから見てわかることは「日本人のコメ離れ」ということだ。
確かに、現在の日本の食は米食に頼る必要がないほど、豊かになっている。
数年前には「糖質オフダイエット」が流行し、「糖質=ご飯を食べない」という人達も多くいた。
それが昨年からの「コメ不足」で、米飯が話題になったことで「米飯回帰」のような現象が起きているのかもしれない。

ただ、それ以上に今回の「コメ不足」の背景にあるのは、実質現在も続く「減反政策」の方が、問題のような気がするのだ。
というのも、日本政府は「日本産コメ」を積極的に海外に売り出したい、という方針を決めているからだ。
あくまでも個人的想像だが、国内における一人当たりのコメ消費量が減っているなら、海外に売り出した方が良いのでは?まして、海外では「日本食ブーム」が起きている。
日本のコメを海外に売り出すチャンス!と、思ったのでは?

であれば、実質的に現在も続いている「減反政策」を見直し、奨励金を出してでもコメ農家に積極的にお米を作ってもらう、という方針を考える必要があったのでは?
問題となっている、「減反政策」も長い間続けてきた政策であり、見直しや(輸出するための)コメづくり、という方針も出ていないように思うのだ。

世界で人気となっている「日本食ブーム」に乗じて、日本産・うるち米を海外の市場に出すというのであれば、コメ農家に対して何等かの支援策をすべきだったのでは?
政府とともに「惰性的減反政策」に加担してきた、JAにもその責任はある様に思える。
キャノングローバル戦略研究所:JA農協&農水省がいる限り「お米の値段」はどんどん上がる… 

今必要なことは、コメを含め農畜産物の生産者が安心して取り組め、同時に生活者が安心して購入できる「適正価格」ということを考える必要があると思う。
と同時に、生活者が若干農畜産物が値上がったとしても、心配せずに購入できるだけの経済政策を減税を含めて考えることが重要なのではないだろうか?



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