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安倍さんの辞任に思う

2020-08-29 18:56:32 | 徒然

昨日、安倍首相が辞任を発表した。
先週から大学病院に検査を受けるなど「健康問題」が、ささやかれていた。
先週、今週と2週続けて大学病院に行く、ということは別に珍しいことではない。
検査を受ければ翌週には大体その検査結果を聞きに行く、というのが一般的だからだ。
一般社会ではそのような認識であってもメディアは、そのようにとらえていなかったようで「辞任を固めたのでは?」という話が出るようになっていた。
「潰瘍性大腸炎」という難病が悪化したため、首相という責を全うするのが難しくなったというのが、今回の辞任理由となった。
同じ病名での辞任は2回目であるため、これまで相当手厳しいコメントが数多くみられたヤフコメなどでは、「お疲れ様でした」という、コメントばかりが見られるようになった。

国から難病指定がされている病気なので、完治そのものがむずかしいというよりも、決定的な治療法がない「クローン病」の一種といわれている。
そしてストレスなどにより、一時的に良くなっても(「寛解(「かんかい」とよむ)」)の状態になっても、再び悪化することがある、といわれている。
とするとこの7年間というよりもここ1,2年相当ストレスを抱えて首相という仕事をしていた、ということになるだろう。

確かに、ここ1,2年安倍さんを取り巻く環境は、ストレスが多かったと思う。
「モリカケ問題」に始まり「桜を見る会」、そして今回の「新型コロナウイルス」の感染拡大に伴う政策の失敗、など様々な問題が噴出したのも事実だからだ。

しかし「モリカケ問題」にせよ「桜を見る会」にせよ、その種を蒔いたのは誰なのだろうか?
辞任発表直後のヤフコメのように「お疲れ様でした」と、言えないのはこのような問題を明らかにすべき当事者であるにもかかわらず、問題から目をそらし続けてきた態度を見ているからだ。
むしろ首相という座を降りたのだから、忖度などする必要もなくなったので、問題追求だけはしっかりして欲しい、と願っている。
何故なら、このような国政のトップである政治家が起こした事件なのだから、当然それなりの責を負う必要はあるだろうし、もし逃れるようなことがあれば、日本の民主主義は何だろう?ということにもなりかねないからだ。

そして安倍さんの辞任に伴い、安倍さんを取り巻いていたといわれる、官房官僚の皆さまも退場となってほしいものだ。
官僚の皆さんは、政治的責任(選挙で落選する)ということが無い。
だからといって「新型コロナ」での後手後手になってしまった対応策、「アベノマスク」と揶揄されながらも400億以上の税金をつぎこんだにもかかわらず、その効果たるや疑問が残るばかりの失策。
挙句の果てに「Go Toキャンペーン」の前倒しで、「新型コロナ」の第2波を起こしてしまった。
自粛期間中にどれだけの医療体制が整たのか?といえば、地方自治体任せで医療の現場は困窮状態が続く結果となっている。
PCR検査にしても、9月中に7万人/日という発表をしているが、拙ブログでも以前指摘しているように、ニューヨーク州では6万人/日の検査を行っている。
余りにも少ない検査数の背景には、感染拡大が懸念されるようになってから、国が積極的に検査を行うという姿勢を示してこなかったからだろう。

安倍さんの後継者選びを急いでいる自民党だが、その前に考えて欲しいのは「アベノミクス」をはじめとする安倍政権が行った政策の見直しと反省だ。
もちろん最終的には、選挙という方法で国民が判断を下さなくてはならないことではあるが、選挙までの間に自民党だけではなく与野党それぞれが「アベノミクス」に始まった安倍政権を見直す必要があると思う。
それができなければ、日本の政治は終焉に近いのかもしれない(という危機感を持っている)。