日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

転売ヤーの敏感さに、改めて驚く

2020-08-05 18:40:53 | アラカルト

大阪府知事の吉村さんが「新型コロナウイルスの予防に、うがい薬が良いという研究がある」という趣旨の話をされたようだ。
朝日新聞:「うがい薬で唾液中のコロナウイルス減少」吉村知事会見

科学的根拠という点では、疑問な点が多いにしても「うがい薬」そのものは、手に入りやすいことを考えれば、「うがい薬で予防策をしておこう」と、考えられる方は少なくないだろう。
この報道があってから近所のドラッグストアーでは、「うがい薬」の購入制限がかかってしまった。
理由は、お分かりだと思う。
一人で大量に購入させない為だ。
にもかかわらず、今日ドラッグストアーに行ったとき「うがい薬」の棚が、インフルエンザが流行していないこのシーズンにもかかわらず、空っぽになっていた。
「皆さん、動きが早いな~」と、感心した。

当然のことながら、このような状況を見越したかのように、C2Cサイトの大手「メルカリ」等では、さっそく転売ヤーといわれる方々が「うがい薬」を出品していたようだ。
Huffpost:「イソジン」等の”うがい薬”は転売しないで。メルカリで出品相次ぐ。吉村知事「勝手に販売すると犯罪。控えて」と訴える

おそらく出品した転売ヤーたちは、マスクや消毒用アルコールと同じだと考えていたのだろう。
そのため、C2Cサイトでの転売で一儲けしようとした、ということだと思う。
ところが、風邪などで近所の診療所(最近は「クリニック」と呼ぶことのほうが多いと思う)に行くと、調剤薬局で「うがい薬」が処方さる一つである、ということに転売ヤーたちは気づかなかったのだと思う。
「調剤薬局で処方される=薬事法で取り扱いが決められている」というモノなのだ。
そのため転売ヤーである素人が、勝手にネットで販売することは、薬事法違反に引っかかる、ということになる。

しかし考えてみると、今回のように「(一儲けしようと)転売目的」でC2Cサイトに出品する人達=転売ヤーを検挙する為には絶好のチャンスだったのでは?という、気がしない訳でもない。
何故なら、彼らのような人たちがマスクや消毒用アルコールを、不当に高値で販売をした人達の可能性もあるからだ。
マスクや消毒用アルコールが市中から無くなり、多くの生活者が困った挙句、「アベノマスク」なるトンチンカンな政策まで飛び出し、400億を超える税金が投入される切っ掛けを張本人でもあるからだ。

彼らの多くは「自分がC2Cサイトで何を出品し、儲けようと勝手だ!」と嘯くとは思うのだが、あまりも経済にも生活にも影響が大きすぎた。
その意味で、これを機会に検挙という方法も、転売ヤーを減らす為には効果的だったのでは?と、意地悪なことを考えてしまうのだ。

しかし、「うがい薬」による風邪やインフルエンザの予防に関しては、毎年のように懐疑的な意見が出ているのも事実だ。
神奈川県歯科医師会 オーラルヘルスオンライン:適切な歯磨きと口腔ケアで、インフルエンザを予防しましょう!!

歯磨き粉には、口腔内をきれいにするための薬剤が入っており、歯磨き後うがいをシッカリすることで口腔内から喉の上部位まで殺菌する。何より唾液を促すことで人の体が持っている免疫力を高める、ということのようなのだ。
それだけではなく、日本の水道水はオゾンなどで殺菌されているために、うがいをするだけでも効果が高い、といわれている、という話なのだ。

とすれば、「新型コロナ感染予防対策」の基本中の基本である、「市販の自然素材の石けんでの手洗い・水道水でのうがい」を適切に行いながら、歯磨きをすることで随分予防効果が高い、ということになりそうだ。