日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「マスク」という同調圧力と日本人

2020-08-20 18:27:41 | アラカルト

朝日新聞になかなか興味深い記事があった。
「日本人がマスクをつける理由」という、調査についての記事だ。
朝日新聞:マスクをするのは「同調」心理から 同志社大が研究発表

会員限定の記事なので、全文を読むことはできないが、読める範囲の部分だけでも興味深い内容だ。
というのも先日拙ブログで「コロナ全体主義」というテーマで、エントリさせていただいた内容の裏付けのような気がしたからだ。
「わが意を得たり」といってしまえばそれまでなのだが、情緒性の高い日本人の良い部分が、マイナスに動くとある種の「同調性」が強調され、他者に対しての強要となっていく、ということになるということだと思う。

おそらくこの同調性という点で考えた時、「私が我慢しているのに、我慢していない人が許せない」という空気をキャッチすることにより「他者の目」が気になり「マスクをする」という、消極的な「マスク利用」になっているのでは?と、考えている。
いわゆる「空気を読む力」が、「マスクをする」という動機となっている、ということだろう。

昨今書店では「(その場の)空気を読む」ということをテーマとした書籍が、多く置かれている。
そしてこのような「(その場の)空気を読む」ということを強く潜在意識下で行っているのは、日本人位なのでは?という気がしてる。
「空気が読める」ことで、不要な言い争いをする必要が無くなり、その場を上手くやり過ごすことができる、というのは確かにその場においてはメリットなのだと思う。
それは「統制の取れた社会」ということにもなるだろうし、自然災害が発生した時、多くの住民の方々が整然と列をつくり食事や物資を受け取る姿、というのは諸外国では見られない「民度の高さ」という表現にもつながった行動だったと思う。

それが暴走し始めると「自粛警察」とか「マスク警察」のような、「社会正義の為」という思い込みが他者への批判であったり、「自分が我慢しているのに、けしからん!」という、ある種の怒りを生み出してしまうのではないだろうか?
ただ残念ながらそのような「社会正義」は、ある種の自己満足的な部分があるだけではなく、人を攻撃する材料となりより大きな社会不安を呼ぶことになる。
社会不安感が高まることで、人は思考を停止させ声の大きな人(多くの場合は政治的指導者であったり、宗教家であるコトが多いようだ)に追従する(あるいは隷属化する)ことで、自分の安心感を求めるようになってしまうのだろう。
それもまた「(その場の)空気を読む」ということに変わりはなく、「同調」ということになるのだと思う。

8月に入り、連日の猛暑が続いている。
1ヵ月近い連日の猛暑で、気力・体力が低下している今だからこそ、体だけではなく思考のクールダウンも必要だろう。
それが「不必要な同調思考」から脱出する方法なのかもしれない。