昨日のYahoo!トピックスに、女性の管理職登用に企業の反省という内容の記事が、取り上げられていた。
元となった記事は、日刊工業新聞の「ニュースイッチ」の記事だ。
ニュースイッチ:イオン、「とにかく女性管理職を!」の反省
イオンだけではなく、女性管理職を増やしたい!という企業は多いと思う。
昨年秋に話題になった「ジェンダーギャップ指数」などを見れば、欧州諸国に比べれば「女性の活躍」の道のりは、まだまだ遠い、と実感せざる得ない。
安倍さんが、「女性の活躍」とか「女性が輝く社会」などと選挙で言ってはいるが、安倍さん自身はそのようなことは思っていないのでは?と、感じることが多々ある。
安倍さんだけではない、日本の男性企業経営者の多くも「これからは、女性も活躍してもらう時代」と言っていても、本音はどうなのだろう?と、感じることが多い。
だからと言って、日本の男性経営者ばかりを非難する気はない。
何故なら、女性側も「管理職になりたくない」と思っているのでは?と、感じることがあるからだ。
私が社会に出た頃(今から35年以上前)と、今とでは社会制度という面では整っているはずだが、今の女性のほうが「寿退社(あるいは「おめでた退社」)」を願っているのでは?という気がしている。
その背景にあるのは、今の社会が女性が働きにくいと感じているからだ。
「男女雇用機会均等法」によって、「性別による仕事や待遇の差をつけない」ということになった。
その結果、女性に男性と同じような働き方を企業側が要求するようになった、という気がすることが多々ある。
本来であれば、女性のような「ライフイベント」に合わせた柔軟な働き方を男性もできるように、という発想が必要だったのに、「企業戦士」のような馬車馬のような働き方を女性にも求めてしまったのが「男女雇用機会均等法」だったように思うのだ。
そうなると、結婚→出産→育児という女性にとっての重要な「ライフイベント」を諦めるか、仕事を諦めるのかという選択をせざる得ない。
もちろん、どちらも諦めたくない!という女性は多いし、実際孤軍奮闘している女性も数多くいらっしゃる。
そのような「孤軍奮闘している女性の姿」を見て、「仕事を続けることの難しさ」を感じる女性もまた多いのではないだろうか?
元々女性を管理職へ登用をしてこなかった企業にとって、「クォーター制」のような足かせは無いにしても、「女性が輝く企業」というイメージアップの為には、ある程度の人数の登用が必要になる。
仕事を長い間してきたから、キャリアがある、と考えるのは早計過ぎる。
仕事の経験と管理者としての経験は、同じではない。
女性の場合、同じ仕事を長期的にしていることはあっても、管理者としての経験は皆無に近い。
何故なら、今まで企業がそのような処遇をしてこなかったからだ。
それをいきなり「管理職に」と言っても、言われた女性は戸惑うばかりだろう。
職務年数に似合った職責を与えてこなかったのだから、仕方ない。
そのコトに、企業側は気づく必要がある。
このことは、決してイオンだけの問題ではない。
今多くの企業が考えなくてはならない、「キャリアパス」の問題なのだと思う。