日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マーケティングを難しくしているモノ・コトとは

2018-01-03 17:25:17 | ビジネス

明日から仕事始め、という方も多いかもしれない。
最近は、4日か5日くらいまでお休みということろもあり、松の内を過ぎるまではお正月という気分かもしれない。

今朝、FMを聞いていたら「(商品やサービスの)ヒットについて」という話があった。
商品やサービスがヒットする為の重要なことは、マーケティングということには変わりない。
残念なことに、「マーケティング」そのものがビジネスという場面だけではなく、社会でも十分理解されているとは思えない。
マーケティングに携わる私としては、残念でもあり反省すべき点でもある。

何故「マーケティングはなかなか理解されないのか?」と考えると、マーケティングで使われる言葉の多くが「カタカナ」が多いということがあるだろう。
暮れに↓のようなCMをWEBで見かけた。
アサヒ食品:ミンティア CM
このCMの中にある「カタカナ会議」というCMを見た時、「さもありなん」という気がしたのだ。

マーケティングの会議というのは、実にカタカナの言葉が飛び交うことが多い。
最近では、経産省などが募集する「民間新規事業支援説明会」でも、アジェンダとかスタートアップとか、市場のペインなど、英語やフランス語が飛び交うことがある。
ちなみにこのような説明会の名前は、「スタートアップ支援プログラム」という名前で開催されることが多い。
出席する側にとって、分かり易い説明会なのか?と、疑問に感じる場面も多々あるのが現状だ。

確かに、マーケティングという実学は、アメリカ生まれのアメリカ育ちだ。
そのため、マーケティングで使われる言葉の多くは、英語だ。
和訳しようとしても、なかなか訳すことができない言葉が多いのも事実だ。
だからと言って、紹介したCMのような会議では、出席者の意思疎通が十分に図られたとは言えないだろう。
その言葉を使っている人たちの自己満足な会議と言ってしまっても良いと思う。

今朝のFMで取り上げられていた言葉は「インサイト」だった。
そしてこれからは「市場のインサイトに注目する必要がある」という、話だったのだ。
話をされた方は、「インサイト」を「洞察」と説明をしていたが、違う言葉でいうなら「内在(あるいは潜在化)している需要」ということになるのかもしれない。
その「洞察(力)がこれから求められる」、という話だったのだが、一事が万事(?)このように日本語に置き換えることなく、カタカナ語だけが頻繁に使われ、雰囲気で納得してしまう実学がマーケティングなのかもしれない、と思ったのだ。

マーケティングと言う言葉を和訳することは、とても難しい。
マーケティングの大家と言われるP・コトラーは「マーケティングは市場の輪郭を創るモノ・コトだ」と説明をしている。
そのために、調査(=市場調査)や広告などの企業活動が必要である、ということなのだ。
市場調査だけでもマーケティングではないし、広告だけでもマーケティングではない。
市場の輪郭を創り、より多くの人たちがその市場に参加することで、社会活動が活発になっていくことを創っていくことが、マーケティングに携わるということなのでは?と、仕事はじめを前に考えたのだった。