日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「恵方巻」って、食べていますか?

2017-02-03 21:44:34 | アラカルト

今日は「節分」。
暦の上では、季節が冬から春に向かう。
とはいえ、本格的な寒さはまだまだ続く。

「節分」と言えば、ふた昔ほど前なら「豆まき」が定番の行事だったように思うのだが、最近では「恵方巻」を食べるのが、定番になりつつあるようだ。
今日、夕飯の買い物に出かけたスーパーでは、様々な種類の「恵方巻」が、売られていた。
ここ数年の流行りなのか?年々「豪華な恵方巻」が、登場しているように感じる。
昔ながらの「太巻き」のような「恵方巻」ではなく、海鮮をふんだんに使った「恵方巻」や蟹を海苔の代わりに巻いた?「恵方巻」などもあった。
こうなってくると「恵方巻って、何だっけ?」という、気がしてくる。

昨年だったと思うのだが、節分の翌日コンビニでは、大量の「恵方巻」が廃棄処分されていた、と話題になった。
確かに、百貨店、スーパー、コンビニと食品を扱うお店のほとんどが、この時期「恵方巻」を販売するのだ。
実際の消費量よりも多い「恵方巻」が、市場に溢れてしまうのは当然なのかもしれない。
となると、次に問題となってくるのはコンビニのアルバイトに「押しつけ販売」という「自爆営業」だ。
廃棄処分される「恵方巻」も問題だし、自爆営業も問題だろう。

食品廃棄の問題は、日本だけの問題ではないのだが、こと「行事食」となると「食品廃棄」という問題の解決策としての「フードバンク」の利用ということを考えられないのか?という、気になってくる。
というのも、最近全国各地に誕生している「こども食堂(ひとり親家庭などで、食事が十分ではない子供たちへの支援)」などでは、常に食材を求めている、という状況にあると聞く。
「こども食堂」で食事を楽しみにしている子供たち(実は、独居老人なども参加しているケースが増えていると、言われている)にとって、「行事食」というのは日本の文化を楽しむための良い機会だと思うのだ。
あくまでも想像なのだが、「こども食堂」を利用する子供たちの中には、「行事食」そのものに縁がないまま、過ごしてきた子供たちも数多くいるのでは?と思うからだ。

そのような環境で育ってきた子供たちにとって、「節分」という行事そのものだけではなく、その行事のいわれを知ることはとても重要なコトだと思う。
本来であれば、「こども食堂」に集まる子供たち皆で「恵方巻」を作るりながら、その行事のいわれなどを大人から教えてもらうことのほうが良いとは思うのだが、廃棄される「恵方巻」があるのであれば、それを利用するという方法があっても良いと思うのだ。

そもそも「恵方巻」って、どれだけの人が食べているのだろう?
明日になれば廃棄される「恵方巻」。
商売として行事食を売ることは、問題ではない。
ただ、実際に消費される量よりも多いコトが、問題なのだと思う。
とすれば、多くの人に行き渡るような方法も考えながら、商品を提供するという発想も必要になってきたのではないだろうか?

おそらく明日には大量に廃棄処分される「恵方巻」。
「福を呼ぶ」はずの食べ物が、捨てられるのは忍びないな~と思うのだ。