今日から、毎月第4金曜日が「プレミアム・フライデー」になるらしい。
この「プレミアム・フライデー」の実施が決まったのが、昨年の夏か秋だったような気がしたのだが、実施までの期間が短いように思うのは私だけだろうか?
既に「プレ金」という、略語も登場しているようだが、定着までには時間がかかるだろう。
というよりも、果たして定着するのだろうか?という、疑問がある。
唐突だが、日本の大手企業の事務系の職場を中心に「フレックスタイム」が、導入されてから20年以上経っていると思うのだが、「フレックスタイム」そのものを導入していても、実際に活用している方はどのくらいいらっしゃるのだろう?
「フレックスタイム」の導入の背景には、「仕事の自由裁量」という目的もあったような気がするのだが、今でも事務系の職場では、始業時間に合わせて出勤をし、終業時間+残業をして退社するという方のほうが、多いのではないだろうか?
今回の「プレミアム・フライデー」の目的の一つが、消費の拡大だという。
早い時間に退社することで、自由に使える時間を増やし、消費につなげよう!という、ことらしい。
そのようなコトで、本当に消費拡大の呼び水となるのだろうか?大いに疑問である。
それよりも「フレックスタイム」のような制度を拡充し、月のうち「早帰りの日」を自由に決めるというほうが、効果的のような気がするのだ。
例えば、人の少ない時間帯に映画を存分に楽しみたい!とか、好きなミュージシャンのライブに行きたい!など、金曜日に限らず、自由に選べるほうが利用しやすいのでは?
それだけではなく、事前にある程度「早帰りの日」を個々に設定することで、人員配置などが必要な事業者などでも導入しやすくなると思うのだ。
もう一つ気になるのは「消費の拡大を図る」という目的だと、消費を促す側=多くの場合小売業やサービス業に携わる人たちは、この「プレミアム・フライデー」から外れるコトになると思うのだ。
かき入れ時と期待すれば、当然人員配置は多めにするだろう。
となれば、小売業やサービス業に携わる人たちには「プレミアム・フライデー」そのものが、関係のないモノになってしまう。
そこで起きる「ある種の不公平感」は、どのように解消するのだろう?
もう一つ疑問に感じることは、上述した通り「消費の拡大」となるのか?という点だ。
「消費の拡大」をするためには、まず「自由に使えるお金」が、ある程度潤沢である必要がある。
先日、日本の生活者のエンゲル係数が上がった、というニュースがあった。
「エンゲル係数」とは、ご存じの方も多いと思うが、家計の中で食費を占める割合の係数の事だ。
「エンゲル係数」が高い=食費にかかる費用が多い、ということになる。
実際の食費内容を見る必要があるとは思うが、「エンゲル係数」が高くなっているということは、余暇などに使うお金の余裕がなくなってきている、と考えるほうが自然だろう。
そのような生活環境の世帯が増えているとすれば、「消費の拡大」を促す方法は「プレミアム・フライデー」ではないような気がするのだ。
「プレミアム・フライデー」の実施は、一斉に実施するコトで早い定着を狙っているのだと思うのだが、その前に「働き方」や「世帯における経済的余裕」等を、考える必要があると思う。