日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

コナカの新戦略、ちょっと惜しい

2017-02-08 21:58:54 | ビジネス

最近、Facebookに「Difference」という、ショップの広告が表示されるコトが多くなってきた。
もちろん、「私のFacebookページに表示される」という意味なのだが、余りにも頻繁に表示されるので、気になってサイトを見てみた。

Fashionnap.comNews:コナカが南青山にオーダースーツ店オープン 2着目行こうはスマホで注文
紹介記事は、昨年9月のものだが、このオーダースーツ店が名古屋にもオープンしたので、名古屋に住んでいる私のFacebookに広告が表示されるようになったようだ。

コナカと言えば、紳士服量販店の一つということは、ご存じだと思う。
我が家の近所にも紳士服量販店が2店横並びで、営業している。
ただ、この中部地区に関しては、コナカは進出していなかったのでは?という、記憶がある。
というのも、我が家の近所にある紳士服量販店の一つ「AOKI」が、元々名古屋にあった「トリイ」が母体となっているからだ。
そのため、紳士服量販店の中でも「はるやま」や「コナカ」は、なかなか名古屋地区に進出しにくいという状況にあったという気がしている。

そのコナカが、「オーダーメイド」という量販店とは違う紳士服店で、新しい事業展開をし始めたことは、面白いと思う。
実は、街中を歩いていると案外「オーダーメイド」のお店を見かけるコトが、多くなってきたからだ。
と言っても、昔ながらの「テーラー〇〇」という雰囲気ではない。
一見すると、個人経営のお洒落な紳士服店のような感じで、入りやすい印象を受ける。
それだけではなく、以前に比べると随分「オーダーメイド」の価格が、安くなっているのでは?という、実感がある。
実際、コナカが展開をしている「Difference」も、35,000円~という価格設定がされている。
ユニクロなども、イージーオーダーシャツなどを始めている。
これまでの既製品では対応できない層や、量販品では満足できないがオーダーメイドで作ってみたい、という層に対しての需要を見込んでいるのだろう。

「Difference」のサイトを見てみると、紳士物だけではなく婦人物も扱っている。
婦人物のラインナップを見てみると、ベーシックなデザインばかりだが、それが逆に安心してオーダーできる、という気がする。
それだけではなく、婦人用のコートはスーツ着用に対応できるのは、働く女性が当たり前になってきた現在では、なかなか良いところに目を付けている、という気がする。
というのも、市販されている一般的な婦人用のコートというのは、スーツを着用して着ることを想定してないからだ。
男性諸氏からすると、驚かれるかもしれないが、「婦人用コートはワンピース等の上に着る」ことを前提に作られている。
最近では「リクルートコート」と称して、スーツの上に着られるコートもあるのだが、デザインがどこか子供っぽいのが難点だった。
その点を解消しているのは、魅力的だと思う。

ただ、残念なのはそのコートのデザインが一つだけで、トレンチタイプしかない、という点だ。
トレンチタイプのコートは若い方には似合っても、それ相応の年齢になると似合わなくなる。
せっかくオーダーメイドでつくるのであれば、比較的長く着られる「ステンカラー」のデザインも欲しいところだ。

もう一つ残念なのは、「ワンピース」がない、という点だ。
この事業展開の企画段階で、「ワンピース」はファッション性が高く、デザインパターンが一つではない、という理由で外したのかもしれないが、いわゆる「リトル・ブラックドレス」と呼ばれる、シンプルで飾り気のない黒いワンピースは汎用性が高く、働く女性なら1枚は持っておきたい必須アイティムでもある。
その「ワンピース」が無い、というのは女性としてみると、とても残念な気がする。