日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

新モノ好きな京都人?-新機軸を見つける達人たち-

2007-11-25 11:48:44 | マーケティング
先週、全国紙総てが一面で大きく取り上げた記事があった。
それが、大人の皮膚から万能細胞=再生医療実現の最有力手段へ-京大教授らと言う記事だ。
単純な「アンチエイジング」治療と言うのではなく、これまで難病と言われてた病気などの治療に有効と考えられる。
この研究の中心となったのは、京都大学だ。

直後、日経新聞の地方版にひっそりと、取り上げられていた記事がある。
京都市、生ゴミなどから水素抽出する技術開発へだ。
こちらの研究も京都大学が、参加している。
原油の高騰で、ガソリンや灯油の値上げだけではなく、電気、ガスなどの光熱費の値上げが考えられている今、小麦などのバイオエネルギーが注目され、結果穀物の値上がりとなり、穀物製品の実質的値上げが続いている。
しかし「生ゴミ」からバイオエネルギーの代わりとなるモノができるとなると、その状況は大きく変わるはずだ。
実際、ホンダなどは家庭水素供給システムと太陽電池式「水素ステーション」の開発を進めている。
ホンダ以外の自動車メーカーも「電気自動車」の開発には積極的だ。
そのような企業開発の後押しとなる研究が、この「生ゴミから水素抽出」だろう。

考えてみれば、古都・京都は意外にも「新モノ好き」な気がする。
「新モノ好き」と言うか、新機軸となるモノ・コトを見つけることが得意と言うべきかも知れない。
今ではすっかり当たり前になってしまった「(テレビ)ゲーム」も、任天堂が「ファミコン」というモノがあってのことだ。
それまでの「ゲーム」と言えば、やや暗めの喫茶店に置いてある「インベーダーゲーム」か、ゲームセンターに置いてある「カートゲーム」などが主流だったはずだ。
その「ゲーム」を家庭に持ち込み、「Wii」によって「ファミリーエンターテイメントゲーム」や「フィットネスゲーム」へと発展させた。
同時に「ニンテンドーDS」が、携帯ゲーム機と言う市場を創りながら、様々なソフトを提供する事で「脳トレ」や「お料理ブック」、「家計簿」と言う、これまでとは違う市場を創りつつある。

「大人の皮膚細胞から、万能細胞再生」と言うのは、ノーベル賞に値するほどの研究だと言われている。
「生ゴミから水素」と言うのは、ノーベル賞ほどではないかも知れないが「イグノーベル賞」には十分値するだろう。
何よりも「生ゴミ」の処理に頭を悩ましている自治体にとっては、処理の問題だけではなくエネルギー問題も一挙に片付ける研究だろう。

京都人の「新機軸の発見力と研究力」、東海エリアの「モノづくり力」があるとすれば、東京には何があるのだろうか?
金融マーケットセンターだろうか?
それとも、机上の理論ばかりが展開される、人を観ることを忘れた政治中心都市だろうか?