朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第18回の今日は、「ハッピーエンドの是非」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2009/07/1872-fc11.html#more
アメリカ映画『フランダースの犬』について書きました。ハッピーエンドにびっくり!
さて今日は、先週末刊行した最新刊『恐怖と愛の映画102』(文春文庫)について。
これは福音館の月刊誌『母の友』に今も連載中の「ははとも倶楽部VIDEO」9年分を集めたものです。福音館のHPでも紹介されましたのでお読みください⇒ http://fukuinkan.cocolog-nifty.com/hahanotomo/2009/06/video-6aba.html
9年分だから12×9で108本のはずなのに102はおかしい?
実は途中から秋が特別号になり、連載1回分がお休みになっているからです。108は煩悩の数だから、それも面白くてよかったんですけど。うふふ。
表紙の怖い絵は世紀末の画家シュトックの「スフィンクスの口づけ」。こんな女性になら殺されてもいい、という恍惚の男性を描いた作品です。でもって表紙の帯は「女は復讐心から憎む男を放さない」
でも中身は怖い映画や恋愛映画ばっかりじゃありません。個人的偏愛作『異人たちとの夏』やSFやほのぼの映画や、とにかくごった煮!映画好きのわたしの勝手なエッセィと思って楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。
これまでの長い長~い(?)人生で、どれほどの時間を映画に費やしてきたかなあ。けっきょくドラマ好きなんですね。ふだんは淡々とおとなしく暮らしていますから。
ときどき実体験も挿入しました。その一部を以下ーー
「中学時代のこういう体験。
友人と三人で横断歩道を渡っていた。そこへ猛スピードでオートバイが突っ込んできて、ひとりが撥ね飛ばされてしまう。彼女は弧を描いて宙を飛び(まさに地の果てまで飛んでゆくように感じられた)、ずっと先へどさっと落ちた。わたしともうひとりの友人はその場に凍りつき、果てしなく長い時間がたったかに思えた。
すると倒れていた彼女がむくっと起き上がり、何が起きたかわからないというポカンという表情でこちらへ歩いてくるではないか。その瞬間、わたしと友人、そしてオートバイの主は、笑って笑って涙が出るほど笑いころげてしばらくとまらなかった(後で病院でみてもらったところ、膝がすりむけていただけ。奇蹟と言われた)。
ヒステリックな笑いと恐怖は表裏一体だと、つくづく実感した出来事だった。」
ーー本文中には書かなかったけれど(映画の肝となる部分なので)、なぜこんな私的なエピソードを入れたかは、この映画を見た人にしかわからない仕掛けになっています。
最近、映画の本が少なくなり、どんどんマニアックになっている気がするので、たまには肩の凝らないこういう本はいいかも♪ と、自己宣伝ですみません。
でもとにかく楽しんで今も連載しています。
☆9月から開催の「THEハプスブルク展」では(⇒ http://www.habsburgs.jp/supporter.html)10月にわたしの講演会もあります。どうぞいらしてくださいね!(詳細は次回)
☆最新刊「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
新聞での紹介から抜粋ーー「思わず見たい映画をピックアップしたくなるエッセー集」「映画の印象的なシーンに触発され、著者一流の物の見方を遺憾なく発揮している」「このテーマでこの映画?と驚くような選択も。公開当時は興味を覚えなかった作品でも、改めて見たいと思うきっかけになるかも」
![恐怖と愛の映画102 (文春文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/417sNeYFWGL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。3刷中♪
![怖い絵3](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51sMg6wgQUL._SL160_.jpg)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
![おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oV4DpJSHL._SL160_.jpg)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。
![歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41jKxECSsfL._SL160_.jpg)
☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷中♪
![名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/317DmprK0ZL._SL160_.jpg)
☆最新刊「危険な世界史」(角川書店) 2刷になり、帯が変わります♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
![危険な世界史](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41OcgjypoCL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵2」、6刷中。
![怖い絵2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DISobTrZL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵」12刷中
アメリカ映画『フランダースの犬』について書きました。ハッピーエンドにびっくり!
さて今日は、先週末刊行した最新刊『恐怖と愛の映画102』(文春文庫)について。
これは福音館の月刊誌『母の友』に今も連載中の「ははとも倶楽部VIDEO」9年分を集めたものです。福音館のHPでも紹介されましたのでお読みください⇒ http://fukuinkan.cocolog-nifty.com/hahanotomo/2009/06/video-6aba.html
9年分だから12×9で108本のはずなのに102はおかしい?
実は途中から秋が特別号になり、連載1回分がお休みになっているからです。108は煩悩の数だから、それも面白くてよかったんですけど。うふふ。
表紙の怖い絵は世紀末の画家シュトックの「スフィンクスの口づけ」。こんな女性になら殺されてもいい、という恍惚の男性を描いた作品です。でもって表紙の帯は「女は復讐心から憎む男を放さない」
でも中身は怖い映画や恋愛映画ばっかりじゃありません。個人的偏愛作『異人たちとの夏』やSFやほのぼの映画や、とにかくごった煮!映画好きのわたしの勝手なエッセィと思って楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。
これまでの長い長~い(?)人生で、どれほどの時間を映画に費やしてきたかなあ。けっきょくドラマ好きなんですね。ふだんは淡々とおとなしく暮らしていますから。
ときどき実体験も挿入しました。その一部を以下ーー
「中学時代のこういう体験。
友人と三人で横断歩道を渡っていた。そこへ猛スピードでオートバイが突っ込んできて、ひとりが撥ね飛ばされてしまう。彼女は弧を描いて宙を飛び(まさに地の果てまで飛んでゆくように感じられた)、ずっと先へどさっと落ちた。わたしともうひとりの友人はその場に凍りつき、果てしなく長い時間がたったかに思えた。
すると倒れていた彼女がむくっと起き上がり、何が起きたかわからないというポカンという表情でこちらへ歩いてくるではないか。その瞬間、わたしと友人、そしてオートバイの主は、笑って笑って涙が出るほど笑いころげてしばらくとまらなかった(後で病院でみてもらったところ、膝がすりむけていただけ。奇蹟と言われた)。
ヒステリックな笑いと恐怖は表裏一体だと、つくづく実感した出来事だった。」
ーー本文中には書かなかったけれど(映画の肝となる部分なので)、なぜこんな私的なエピソードを入れたかは、この映画を見た人にしかわからない仕掛けになっています。
最近、映画の本が少なくなり、どんどんマニアックになっている気がするので、たまには肩の凝らないこういう本はいいかも♪ と、自己宣伝ですみません。
でもとにかく楽しんで今も連載しています。
☆9月から開催の「THEハプスブルク展」では(⇒ http://www.habsburgs.jp/supporter.html)10月にわたしの講演会もあります。どうぞいらしてくださいね!(詳細は次回)
☆最新刊「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
新聞での紹介から抜粋ーー「思わず見たい映画をピックアップしたくなるエッセー集」「映画の印象的なシーンに触発され、著者一流の物の見方を遺憾なく発揮している」「このテーマでこの映画?と驚くような選択も。公開当時は興味を覚えなかった作品でも、改めて見たいと思うきっかけになるかも」
![恐怖と愛の映画102 (文春文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/417sNeYFWGL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。3刷中♪
![怖い絵3](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51sMg6wgQUL._SL160_.jpg)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
![おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51oV4DpJSHL._SL160_.jpg)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。<愛のフェア>本の一冊ですので、帯の写真は松山ケンイチさん♪「女の恋は 激しく、哀しい」がキャッチコピーです。
![歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫 な 50-1)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41jKxECSsfL._SL160_.jpg)
☆最新刊「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)、6刷中♪
![名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/317DmprK0ZL._SL160_.jpg)
☆最新刊「危険な世界史」(角川書店) 2刷になり、帯が変わります♪
毎日新聞での紹介⇒ http://mainichi.jp/enta/book/shinkan/news/20080903ddm015070149000c.html
![危険な世界史](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41OcgjypoCL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵2」、6刷中。
![怖い絵2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DISobTrZL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵」12刷中
「危険な世界史」を読み終えてどうしようかな、と思っていた矢先だったのでグレイトタイミングでした♪「危険な世界史」、本当に驚きの連続でした!当時の入浴などの衛生観念や、結核についての考え方に愕然とし、ルソーの実像に幻滅したり、ダーウィンの生き方に安堵を覚えたり、と盛り沢山でした。あとがきにも、歴史というのはその時代を生きた人物を追っていくのが面白いと書かれていましたが、本当にそうだなぁ、としみじみ思いました。
今回のご著書も楽しんで読ませていただきたいと思います☆
さっそく読んでくださり、嬉しいです♪
「風と共に去りぬ」の宝塚版は未見ですが、男役としてはレット・バトラーはさぞかしやりがいがあるでしょうね!
カビバラさん
入浴に関しては、日本人は豊富な水に恵まれているおかげもあってか、歴史を通じてきれい好きだなあ、とつくづく思います。江戸のトイレ事情も比較として挿入すればよかったかも。
中野先生の興味・関心・問題意識がじつにはばひろいのに,感心させられました.
ところで,カバーに使っているシュトゥックの「スフィンクス」ですが,インターネットで検索すればいくらでも画像を見ることができるでしょうけど,わたくしは<tipsy moon cafe>というウェブサイトを紹介したいとおもいます.なにしろ,シュトゥックの名を知ったのがこのサイトだったものですから.
http://members.at.infoseek.co.jp/tipsy0/window.html
「gallery」というページのなかの「sphinx」の項でギュスターヴ・モローとシュトゥックとフェルナン・クノップフの作品をあげておられます.
このサイトは数年前から更新がとだえているようですけど,なにしろ文章が絶妙でおもしろいので,美術ファンのかたは一度のぞいてみて,ソンはないとおもいます.
シュトゥックのこの絵は「怖い絵」にも使えそうな迫力で、一度見たら目に焼きつきます。
ブログの紹介もありがとうございました。今度のぞいてみますね!
『聖衣』(全体としては面白い映画でしたけど)のクライマックスで主人公が、「侵略戦争と奴隷制のうえの反映なんて長続きしない」と暴君カリグラに言い放つのですが、--2千年まえの大国の貴族に、奴隷制・侵略戦争を批判する発想なんてあってたまるか!とつっこまずにいられませんでした。
アレクサンドロスという人、為政者としてさほど有能という気はしませんけど、少なくとも華麗な魅力はあったことにしないと話にならないのではと思います。