中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

ギロチン190年

2011年08月30日 | 映画
 ギロチンは、大革命直後の1792年、フランスにおける正式な処刑用具となりました。考案したギロチン博士(?)もこれで殺されたとか、ルイ16世が改良を加えた、などという話もありますが噂にすぎないようです。

 フランスで女性がギロチン処刑された最後の例は、1943年、第二次世界大戦中に非合法で堕胎手術をおこなっていたマリー・ジローでした。このことを知ったのは、映画「主婦マリーのしたこと」を見てでしたが、それで何となくギロチン刑はこのあたりで終わったと勘違いしていました(ドイツでは1949年まで)。

 ところがそうではなかったんですねえ。。。

 最近またDVDでオードリー・へブパーンの「シャレード」を見ていたら、フランスの警視がアメリカ人容疑者に、「フランスでは死刑はギロチンだ。刃が落ちる前に首がぴりぴりするらしいぞ」というような台詞で脅していたのです。

 ええ~、この映画は60年代なのに!と思って確かめると、なんとギロチン刑は1981年まであったんだそうです。190年も続いていたとは。。。

 かなりびっくり!



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sai
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10 コメント

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ルイ16世による改良 (ミカ)
2011-08-30 13:53:16
実際にルイ16世の助言により、ギロチンの刃は三日月型から斜め直線に変更されたようですよ。
因に、ジョゼフ・ギヨタンは考案者ではなく、採用を提唱した人です。
またギロチン(ギヨティーヌ)は人名ではなく、改良された断頭台のあだ名です。




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すみません (ミカ)
2011-08-30 15:49:51
やはりルイ16世がギロチン作りに助言したというのは、出典のない怪しい噂話のようです。
失礼致しました。
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Unknown (ミカさんへ(kyoko))
2011-08-30 17:11:36
 ルイ16世がほんとに改良したなら、すご~くブラックなエピソードでしたよね。
 ギロチンについては「危険な世界史」にも書きましたので、のぞいてみてくださいね♪
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血生臭い歴史… (サラ)
2011-08-30 23:07:41
ギロチンの残虐なイメージ故か、噂やら嘘やらが事実を粉飾するのですね

ギロチンもさることながら人体解剖ショーも近年までされていましたし(先生の著書で知りました)、単に血生臭い歴史の負の遺産だと思っていたものは現在に近いところにあるんですね
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Unknown (もん)
2011-08-31 17:27:41
今から30年前までギロチンが行われていたなんて・・・!
残酷で血なまぐさい歴史って、それでも独特の人をひきつける妖しさを持っているように思います。

今度、中野先生の「怖い絵」の番組で知った大塚国際美術館に行く予定です。
旅行会社のツアーを利用して行くので、短時間ですし、先生の「怖い絵ツアー」に参加はできませんが、いつかきっと「怖い絵ツアー」にも参加したいと思います。
来年以降も、「怖い絵ツアー」が定番になればと祈っています。
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死生観の違いでしょうか・・・ (Kou)
2011-09-01 17:09:42
フランス革命で行われていた死刑は、残酷でありますが同時に市民の「自由」に対する思いから誕生した一つの「形」だと思います。


やっと手にした自由をブルボン家のように奪う存在には、死と直面させることで更正させているように私には見えます。

ドラクロワの描いた「民衆を導く自由の女神」では、「自由」という存在が擬人化されていますよね。


当時のフランスにとってはとても大切なものだったのだと窺えます。
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Unknown (うさこママ)
2011-09-01 22:14:45
フランスは、古い物を長く使う国とは思ってたものの、ギロチンまで30年前まで使っていたとは……。それ以前の斬首と比べたら、確かに「人道的」なのでしょうが、私が初めて行ったのは1979年なので、その時はまだ、あったんですね。かなり衝撃的な話でした。
ところで、エドモン・ダンテス、キアヌ・リーブスですか……。私はほとんど、この人の映画を見てないので、何とも言えませんが、私は昔、ジェラール・フィリップで見たい!と思ってました。
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Unknown (みなさま(kyoko))
2011-09-01 23:20:14
サラさん
 今おこなわれている人体の不思議展もかなり問題視されていますよね。人間の体はいったい誰の物なのかなあ、と考えてしまいます。。。

もんさん
 大塚美術館、きっと満足できると思いますよ♪庭園からの瀬戸内海の景色もすばらしいです。楽しい思い出を持ち帰ってくださいね!

Kouさん
 どんな死刑方法が残酷でないか、というのはやはりその国によって違いますよね。ギロチンの場合はフランス革命との結びつきのイメージがあまりに強すぎて、こんなについ最近まであったんだあ、という驚きがまず来るのかも。

うさこママさん
 キアヌ=ダンテスは半分冗談です。あはは。
 ジェラール・フィリップですか!やっぱり自分好みの男性に演じてほしくなってしまうものなんですね~。。
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Unknown (チコ)
2011-09-10 04:53:17
確かフランスでは死刑廃止まで、執行方法はギロチンだったのではないでしょうか。フランスで死刑廃止のニュースと同時に、革命時代からずっとそれまでギロチンが使用されていたと聞いて、かなりびっくりしたことを覚えています。こんなこと書くと年がバレますが。
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Unknown (チコさんへ(kyoko))
2011-09-13 09:13:24
 そうだったんですか!そのニュースは全然覚えていません。残念。
 日本の新聞は、ギロチン使用に対して衝撃的に報じたということですよね?
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