開催中の「マリー・アントワネット展」には、革命期にアントワネットがいろいろな動物に擬せられた諷刺画も来ています。当時の絵入り新聞などに載ったイラストです。
中にはハルピュイア(英語でハーピー)も!
これは胸までが女性、他は鳥という姿。貪欲の象徴です。他人の食糧の大半をむさぼり食うこの怪鳥が、当時の庶民にとって、王侯貴族に重ね合わされたのも無理はありません。
ダンテも『地獄篇』で、自殺者の魂をむさぼるハルピュイアを登場させています。
わたしがこれまで読んで一番怖かったハルピュイアの描写は、小松左京の「保護鳥」(自薦恐怖小説集『霧が晴れた時』の一篇)。
「その声は、この世のものでない怒りに狂い、何かを呪い、のど笛を吹ききらんばかりにに風に叫びたてている」
「白い女の顔……朱をさしたように血走った眼、鉛色の皮膚、両端が反り上がった紫色の唇から、ニュッとむきだした鋭い二本の犬歯」
主人公は、このハルピュイアから「餌」と認識されてしまうのです。
「(狂ったような呪詛の叫びの調子に)今度は、毒々しい歓喜の念がこめられていた。なにか、いいものを見つけた、という歓喜が。そして牙がガチガチふれあうような、あからさまな飢餓が……」
主人公は「魂が宙にとぶ恐怖のなかで」、この化けものがハルピュイアだと気づくのですが、気づいた時には……という血も凍る短編。ホラー好きはぜひこの短編集、お読みください。お勧め🎵
☆☆☆「怖い絵展」情報
http://www.kowaie.com/
☆今後の講演予定
・12月18日(日)14時~15時半 青山ブックセンター
「マリー・アントワネットの素顔」
http://www.aoyamabc.jp/culture/antoinette/
☆最新刊「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)
☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
☆「新 怖い絵」(角川書店) 5刷になりました♪
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☆「はじめてのルーヴル」(集英社文庫)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川文庫)
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☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)
『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/
☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)
担当者さんが紹介してくれました♪
↓
http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html
☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
3刷になりました♪
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)2刷になりました♪
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050
☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935
☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫)
☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)
☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)
☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。8刷になりました♪
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました♪
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました。
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 11刷になりました
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました♪
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 14刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 7刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 20刷になりました♪
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 2刷になりました♪
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
^^^^^^^^^^^^^^^^
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
中にはハルピュイア(英語でハーピー)も!
これは胸までが女性、他は鳥という姿。貪欲の象徴です。他人の食糧の大半をむさぼり食うこの怪鳥が、当時の庶民にとって、王侯貴族に重ね合わされたのも無理はありません。
ダンテも『地獄篇』で、自殺者の魂をむさぼるハルピュイアを登場させています。
わたしがこれまで読んで一番怖かったハルピュイアの描写は、小松左京の「保護鳥」(自薦恐怖小説集『霧が晴れた時』の一篇)。
「その声は、この世のものでない怒りに狂い、何かを呪い、のど笛を吹ききらんばかりにに風に叫びたてている」
「白い女の顔……朱をさしたように血走った眼、鉛色の皮膚、両端が反り上がった紫色の唇から、ニュッとむきだした鋭い二本の犬歯」
主人公は、このハルピュイアから「餌」と認識されてしまうのです。
「(狂ったような呪詛の叫びの調子に)今度は、毒々しい歓喜の念がこめられていた。なにか、いいものを見つけた、という歓喜が。そして牙がガチガチふれあうような、あからさまな飢餓が……」
主人公は「魂が宙にとぶ恐怖のなかで」、この化けものがハルピュイアだと気づくのですが、気づいた時には……という血も凍る短編。ホラー好きはぜひこの短編集、お読みください。お勧め🎵
☆☆☆「怖い絵展」情報
http://www.kowaie.com/
☆今後の講演予定
・12月18日(日)14時~15時半 青山ブックセンター
「マリー・アントワネットの素顔」
http://www.aoyamabc.jp/culture/antoinette/
☆最新刊「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)
☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
☆「新 怖い絵」(角川書店) 5刷になりました♪
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☆「はじめてのルーヴル」(集英社文庫)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川文庫)
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☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)
『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/
☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)
担当者さんが紹介してくれました♪
↓
http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html
☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
3刷になりました♪
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)2刷になりました♪
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050
☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935
☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫)
☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)
☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)
☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。8刷になりました♪
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました♪
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました。
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 11刷になりました
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました♪
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 14刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 7刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 20刷になりました♪
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 2刷になりました♪
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
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☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
シンプルな線で描かれているのに、ゾッとするやらしさが滲み出ていて、怖いです。一時期、山岸さんの怖いマンガにはまってました。
それから数年して、中野さんの本にはまりました。
怖いってやっぱり面白い。そして、面白いといわれているうちが花かな、と。
「マリーアントワネット」展行って来ました。女子高生が1クラス位の団体さんで来ていましたが、女子高生からおばさんまで「私だったら…」と思わせるのがマリーアントワネットの永遠の魅力でしょうか?
風刺画は高校の世界史だったら出てきたかな?と思い返しています。最近、小池都知事が「アンシャンレジーム」を使って、高校の世界史に出てきたなあと思い出しました。
日曜美術館の「クラーナハ」展、見ました。前日、国立西洋美術館の講演会も行っていました。美術館の新藤さんのお話で、《女のちから》がテーマで、見ている私達が誘惑にはまり、現代の画家、アーティストもその誘惑から作品を産み出したという様な内容でした。
古今東西、男女を問わずエロスを感じさせる作品ですよね⁉
私なんか、クラーナハが描く女性像から演歌の藤純子さんを思い浮かべました。
先生はもう少しきわどい解説をしたかったかな?などと勝手に解釈しています。下世話な話になりました。
又、新しい連載が始まるのですか?インフルエンザ、ノロウイルスにご注意ください。
面白いうちが怖いも花、とは、戦争に向かうような、ただただ閉塞的で笑い飛ばすこともできない怖さはやだなーという気持ちで書きました。
トランプ氏が大統領選で勝利したとき、 そういう日が近づいたように感じてちょっとうろたえました。
「名画で読むイエス・キリストの物語」、解説の末盛千枝子さんに惹かれて、文庫も入手し、又読み返しています。そして18日、久しぶりの講演にワクワクしています。アントワネット展はこれからで、ぶらぶら美術館で予習して、講演を聴いてから観ると万全ですね。
そうですね。怖さや恋や政府批判が許されるのは、なんと良い時代に生きているかと思います。そうではない国が世界ではまだまだ多いし。。。
yoshkoshさん
お久しぶり♪
実はきわどい説明もしたのですけど、書籍ならまだしもテレビではということでしょうか、カットされてしまったんですよ~ でも認知度の低いクラーナハの魅力が伝わってくれたらいいな。
うさこママさん
青山にいらしてくださるのですね♪
アントワネット展、平日でもすごい人気のようです。ちなみに私は今日、原美術館へ行ってきたのですが、こちらは通常の美術館と反対で男性の数が女性を上回っておりました。やっぱり!
中野さんの解説を楽しみに拝見いたしました(薄水色のスーツが素敵でした!)。
番組では司会のお二人の方がよくお話ししていた印象で、いつもの中野さんは?と、わたしには何となく不完全燃焼でした。
やはりもっと解説があったのですね!絵画とはいえ、妖艶な裸体をTVでも展示して(おいて)、それに対しての解説にカットがあるなんて、ありえないと思います。
このような場合の中野さんのお気持ちは?と想いをめぐらせています。。。
カットされた部分は、わたしも納得です。子どもから大人まで見る番組はやはりある程度の節度が必要と思います。なのでクラーナハの際どい説明は、いつか自著に書きますね~お楽しみに(ふふふ)